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2010.03.13

ビバ!イタリア  ヴァティカン博(2) 絵画館の名画!

1352_2          アンジェリコの‘聖母子と聖ドミニク、聖女カタリナ’

1351_2          フォルリの‘ヴィオロンを弾く天使’

1349_2            ラファエロの‘キリストの変容’

1350_2          カラヴァッジョの‘キリストの埋葬’

ヴァティカン博で絵画をみれるのは4箇所ある。入館して左側に進むとみえる絵画館。次が古代ギリシア・ローマ彫刻のあとの導線になっているラファエロの間と現代絵画の部屋、そして最後がお待ちかねのミケランジェロの‘最後の審判’と天井画‘天地創造’があるシスティーナ礼拝堂。

絵画を全部楽しもうと思ったらやはり1時間半から2時間は必要。もし彫刻も含めて2時間で見終わりたいのであれば彫刻は大急ぎで30分でみて、残りを絵画にあてる。ラファエロとミケランジェロは合わせて1時間はみたい。となると、絵画館に30分とり、ラファエロの間の次の導線になっている現代絵画はどんどんパスして、シシティーナ礼拝堂にとびこむ。

絵画館には中世ゴシック、ルネサンス、バロック時代の絵が展示してある。ルーヴル美のようにはいかないが、ビッグネームの作品はかなりある。ざっとあげてみるとジョット、アンジェリコ、リッピ、クリヴェリ、ペルジーノ、ラファエロ、ダ・ヴィンチ、ベリーニ、ティツィアーノ、ヴェロネーゼ、カラヴァッジョ、レーニ、コルトーナ、ルーベンス、プッサン。

フラ・アンジェリコ(1395~1455)は3点。聖母の青い衣裳と細密画のような黄金の線描が目に焼きつく‘聖母子と聖ドミニク’と港の情景を描いた‘聖ニコラスの生涯’にとても魅了された。クリヴェリは1点あったが、前回見逃した‘聖母子と4人の聖人’は現在修復中で展示されてなかった。残念!

アンジェリコの黄金に輝く天上界同様、気分が明るくなるのがメロッツォ・ダ・フォルリ
(1438~1494)のフレスコ画の断片14枚。いずれも明るい色彩なので浮き浮きしてくる。フレスコ画でこれほどインパクトのある青や緑、橙色、赤、紫、ゴールドがみれるのはそうない。とくに青と黄金の輝きが目に焼きつく。お気に入りは昨年紹介した‘リュートを弾く天使’(拙ブログ09/9/7)と可愛い大きな目とカールした金髪が心を揺すぶる‘ヴィオロンを弾く天使’。この2枚は極上の天使画。再会できた喜びを噛み締めている。

一番奥の部屋にあるのがラファエロ(1483~1520)の遺作となった‘キリストの変容’。若い頃はやさしい聖母子の絵を描いたラファエロだが、30代になると画風に変化がみられ激しい動感描写とマニエリスム的な人体描写のみられる絵が登場する。‘キリストの変容’でびっくりするというか戸惑うのが画面の下半分。

右で両手を大きく広げている少年はドキッとするほどマニエリスム的に描かれており、この少年を指差し見つめる使徒たちの衣服や表情には明暗の強い対比がみられ、緊迫した空気が漂う。少年は悪魔に憑かれており、使徒たちはどうしても治せなかった。ところが、キリストが奇跡を起こしたのである。キリストは飛翔し、聖ペテロら3人の弟子はキリストから発せられる輝かしい光に手をかざして地上にひれ伏している。ともに両手をあげているキリストと少年が長く頭から消えなかった。

次の部屋へ進むと、今度は女性が両手をあげている。オランスという両手を広げる身振りでキリスト、少年、女性が響き合っていた。カラヴァッジョ(1571~1610)が1602~04年ごろ描いた‘キリストの埋葬’をみるのは3度目。おもろいことに人物で覚えているのは右のクレオパのマリアと手前でキリストを支えているニコデモだけ。

この絵は誰がみてもこの二人に視線が向かう。背中をまるめてこちらをみているニコモデは鼻のあたりが赤くなっており、その逞しい足とあわせて考えるとどうみてもローマの周辺で働く農民のイメージ。そして、その後ろで焦点の定まらない目をして手を高く上げている女は街の一杯飲み屋の給仕女風。宗教画なのに、こういう風俗画として描かれているのでかえって宗教上の出来事は身近なものに感じられる。そこがカラヴァッジョの絵に惹きつけられるところ。

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