ビバ!イタリア カピトリーニ美(2) カラヴァッジョ追っかけ開始!
ローマでのカラヴァッジョ(1571~1610)の追っかけ第2弾はカピトリーニ美(2点)、
ドーリア・パンフィーリ美(2点)、バルベリーニ宮国立古代美(1点)、コルシーニ美
(1点)の4箇所。最初に行ったのがカピトリーニ美。ここには‘洗礼者ヨハネ’と‘女占い師’がある。
‘ヨハネ’は図版でみる以上にすばらしい絵。こちらをむきちょっとほほえんでいる少年の肌の色がじつにリアル。背中と膝に強い光があたりその女性のような肌を際立たせている。この精緻な描写に200%KOされた。真にカラヴァッジョの画力はすごい!
‘女占い師’はルーヴルにもあるが、女性も甘ちゃん少年も違うモデルを使っている。着ている衣裳や二人のポーズはほとんど同じだが、順番はカピトリーニのほうが先。みた瞬間、ルーヴルのほうがいいなと思った。それは少年の顔がルーブルのモデルに比べそれほど甘ちゃん面でないのと、背後に光がべたにあたり奥行き感があまりでてないから。
ここでの楽しみはカラヴァッジョとコルトーナだったのだが、驚愕の絵に遭遇した。それはグエルチーノ(1591~1666)が描いた‘聖ペテロニラの埋葬’。これまでグエルチーノの絵はそこそこ縁があるものの、足をとめても見入った体験はない。だが、この絵は違う。とにかくびっくりするくらいすばらしい。
目を奪われるのが空の青と上にいるキリストと聖人を埋葬する男の衣裳の青。その青と体の白が見事に溶け合っている。また、おもしろい描き方がここにはみられる。これから棺におさまる聖人の体を大きな手が支えている。この手は穴の下にいる男の手。一瞬、ギョッとする。こんなのははじめてみた。
コルトーナ(1596~1669)は17世紀のローマバロック絵画を代表する画家の一人。ここにはコルトーナの絵が全部で13点もある。必見リストに入っているのは‘サビニの女たちの略奪’、‘ポリュクセスの犠牲’、‘バッカスの勝利’。とりわけ惹きつけられる‘サビニ’を息を呑んでみた。
女性不足を解消するため、ローマの若い兵士はサビニの女たちを容赦なく奪っていく。略奪される女はたまったものではない。だが、両手を突き上げ、恐怖におののくだけでどうすることもできない。こういう歴史画はみるほうも辛い。
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