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2010.03.14

ビバ!イタリア  ヴァティカン博(3) ラファエロの壁画の傑作!

1357_2    ‘アテネの学堂’

1359_2     ‘聖体の論議’

1360_2    ‘聖ペテロの解放’

1358_2    ‘ボルゴの火災’

古代ギリシア・ローマの彫刻をみたあと、タピストリーと地図のギャラリーをどんどん進んでいくと‘ラファエロの間’にたどりつく。ここにラファエロ(1483~1520)の壁画の傑作がドドッとある。

最初の部屋がヘリオドスの間で‘聖ペテロの解放’、‘ヘリオドスの追放’、‘ボルセーナのミサ’(現在修復中でみれない)がある。次が署名の間、ここに有名な‘アテネの学堂’、その向かい側の‘聖体の論議’、‘パルナッソス’、‘正義の壁’。3番目の火災の間にあるのは‘ボルゴの火災’だけ。

壁画に加え天井の装飾もあるから、じっくりみると1時間くらいかかる。ここの明るい色がくっきり目に焼きつく大壁画をみたら、いっぺんにラファエロの絵にのめりこむ。システィーナ礼拝堂にあるミケランジェロのフレスコ画は天井画でも正面の‘最後の審判’でも、みる位置から距離があるのに対し、ここではすぐ近くで画面の隅から隅までみることができるから目に力が入る。

‘アテネの学堂’でラファエロはダ・ヴィンチを中央のプラトン、そしてミケランジェロを手前でひじを台につけているヘラクレイトスとして登場させている。また、自分をユリウス2世に推薦してくれた同郷の建築家ブラマンテをユークリッド役で描いている。

署名の間に描かれているテーマは神学、詩学、哲学、そして法学。神学を表現しているのが‘聖体の論議’。視線が集中するのが天上の三位一体をとりかこむ聖人や預言者たちが乗っている細長い雲。じっとみているとこちらに飛び出してくる感じ。天上と地上で議論を交わす大勢の人物を遠近法を用いバランスよく配置するラファエロの画面構成力はやはり超一流。

‘聖ペテロの解放’はお気に入りの絵。暗闇の牢獄に明るい光に包まれる主の天使を浮かび上がらせる構成はカラヴァッジョやレンブラントの絵を彷彿とさせる。ヘロデ王に牢獄に閉じ込められたペテロを天使が救い出す場面が描かれているが、異時同図法が使われている。真ん中が天使が寝ているペテロを起こすところ、右は首尾よく牢の外に二人が出たところ。左では居眠りしていた牢番が‘おい、ペテロがいないじゃないか?’とたたき起こされている。

描かれた順番としては‘聖ペテロの解放’と‘ボルゴの火災’が最後。‘ボルゴの火災’はぱっとみるとコルトーナやプッサンが描いた‘ザビニの女たちの略奪’(拙ブログ3/308/3/31)を思い出させる。ズキンとくるのが真ん中にいる裸の幼児の泣き出しそうな顔。左の建物では火が勢いをまし、若者は壁をやっと降りてきた様子。手足がやけに長いこの人体描写は200%マニエリスム様式。

この男の体と同じくらい惹き付けられるのが右端で衣服をひらめかせながら水を運んでいる女。また、その向こうで水をリレーしている二人の女にも釘付けになる。しばらく息を呑んでみていた。

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