« ビバ!イタリア  国立近美(1) バッラと再会! | トップページ | ビバ!イタリア  ちょっと一服 イタリア雑感! »

2010.03.09

ビバ!イタリア  国立近美(2) カノーヴァの大彫刻に釘付け!

1339_2   クールベの‘雪道を行く密猟者’

1337_3   セガンチーニの‘プローヨークにて’

1336_3      コルコスの‘夢’

1338_3   カノーヴァの‘ヘラクレスとリカス’

国立近代美術館に展示されているのは19世紀以降の絵画と彫刻、オブジェ。大半が名前を知らないイタリア人作家のもの。印象派はドガ、セザンヌ、ゴッホが1点ずつあるだけ。ただ、今回はゴッホの男の肖像画はなかった。ルノワール、モネ、マネ、ゴーギャンはない。

時間がたっぷりあるわけではないから、知らないイタリア人画家の絵のまえはどんどん通りすぎ、多少は馴染みのある画家のものを時間をかけてみた。クールベ(1819~
1877)の‘雪道を行く密猟者’は08年パリのグランパレで開催された大回顧展(拙ブログ08/2/23)でみた。この展覧会でクールベの偉大さがわかったので、つい目に力が入る。

イタリア人の画家で、すぐ思いつくのはモディリアーニ、デ・キリコ、未来派のバッラ、ボッチョーニ、セベリーノ、静物画のモランディ、セガンチーニ、フォンタナあたり。前々からもっと作品をみたいと願っているのはセガンチーニ(1858~1899)だが、これまでに体験したのは片手くらい。だから、新規の作品に遭遇すると幸せな気分になる。

前回同様、この横長の画面にアルプスを背景に野原と牛が描かれた絵をしっかりみた。この絵はセガンチーニ28歳頃の作品で、ミラノの美術館にある‘ギャロップで走る馬’(05/11/22)と同じくはじめて分割法が用いられている。明るい光のあたる自然の色と暖かい空気が漂う雄大な景色にとても魅了された。

今回の収穫はあまりに美しい女性なのでヘナヘナになった‘夢’。どういうわけか前回、この絵を見た記憶がない。どうして?クリムトと未来派にばかりに心が向かっていたから、この絵がある部屋をパスしてしまったのかもしれない。画家の名前はヴィットーリオ・コルコス(1859~1933)、女性画専門のフィレンツェの画家。My好きな女性画に即登録した。

入り口の左にある大きなルーム1に飾ってあるのがアントニオ・カノーヴァ(1757~
1822)の大彫刻作品‘ヘラクレスとリカス’。高さ3.5mもある巨大なヘラクレス像をびっくり眼でしげしげ眺めていたら、80歳くらいの品のいいお婆さんトリオが寄ってきて‘これはそう、カノーヴァの作品よ、すごいわネ’と話かけてきた。これを見たら子供だって老人だってみな感動する。

ヘラクレスは足を大きく広げ、右手は伝令使のリカスの髪、左手は足先をつかんでいる。これからこの男を海に投げ込むところ。リカスの顔は恐怖心でひきつっている。どうして、ヘラクレスはこんなに激怒しているの?ケンタウロスのネッソスの復讐にあい、ヘラクレスはダウン寸前。その原因がリカスにあると怒り狂っているのである。

以前、ヘラクレスの妻デイアネイラは川の渡し守ネッソスに陵辱されそうになった。が、ヘラクレスの放った矢で失敗に終わる。ただでは死なないのがネッソスの執念深いところ。死ぬ間際、デイアネイラに‘自分の血のついた着物は愛を燃え立たせる効能がある’といって与える。これは真っ赤なウソ、この血には水蛇ヒュドラの猛毒が混じっているのである。

ある時、デイアネイラの耳に旦那の浮気の噂が入ってきた。もう大変、嫉妬に狂ったデイアネイラはなんとかヘラクレスの愛を取り戻したい、どうしたらいいか、‘そうだ!ここはネッソスがくれた血のついた着物を使おう。ネッソスは自分の血は愛をもえたぎらせるといっていた’。‘ちょいと、リカス、これをヘラクレスに送り届けておくれ’。何も知らないリカスは‘ハイー、わかりました’とヘラクレスのもとへ走る。

この着物を肩にかけるや否や、ヘラクレスの全身に猛毒がまわった。リカスは嫉妬に狂ったデイアネイラの使いを忠実に実行しただけなのに、ヘラクレスに海へぶん投げられてしまった。リカスは血の気を失い、体の水分がなくなって固い岩になったと伝えられている。

|

« ビバ!イタリア  国立近美(1) バッラと再会! | トップページ | ビバ!イタリア  ちょっと一服 イタリア雑感! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ビバ!イタリア  国立近美(2) カノーヴァの大彫刻に釘付け!:

« ビバ!イタリア  国立近美(1) バッラと再会! | トップページ | ビバ!イタリア  ちょっと一服 イタリア雑感! »