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2010.02.03

ビバ!イタリア  ヴェネツィア派絵画の宝庫 アカデミア美(1)

1190_2   ジョヴァンニ・ベリーニの‘聖カタリナとマグダラのマリアのいる聖母子’

1192_2   ジョルジョーネの‘老婆’

1191_2   ロットの‘書斎の若者’

ヴェネツィアの名所観光はパスして、サンマルコ広場から歩いて10分ちょっとで着くアカデミア美術館をめざした。記憶が半分以上消えているメインストリートを進むとアカデミア橋がみえてきてので、安心モードになる。美術館は橋を渡ってすぐのところにある。現在、館の一部が修復中でチケットは側面の臨時ボックスで購入した。

ここにあるヴェネツィア派絵画の名画は99年に一度体験した。それから10年近くが経ち、図録に載っている作品のなかで今もしっかり覚えているものはもちろんあるが、当時しっかりみたかどうかがあやふやなものもかなりある。だから、今回は数の多いベリーニやカルパッチオやティントレットをあらためて1点々鑑賞するのを目標にした。事前に準備した必見リストをチェックしながら忙しくまわった。紹介したい名画が多いので1回では終わらない。

ここにはヴェネツィア生まれのベリーニ兄弟の作品が沢山ある。兄がジェンティーレ
(1429~1507)で、弟がジョヴァンニ(1434~1516)。画集で取り上げられるのはジョヴァンニの方。その作品は世界中にある主要な美術館でだいたい見ることができる。ここは地元だから多いのは当たり前だが、ミラノのブレラ美にも傑作が揃っている。

前回ははじめてのベリーニの絵だったから、どれに最も惹きつけられたかという記憶が希薄。ところが、今回はこれがはっきりわかった。それは上の‘聖カタリナとマグダラのマリアのいる聖母子’。あまり大きくない聖母像だが、豊かな色彩と明るくて情感あふれる画風にぐっとひきこまれた。とくに右のマグダラのマリアにとても魅せられる。この絵が描かれたのは1490年だが、マグダラのマリアの表情は現代に生きる女性をみるようで、現実感に満ちている。この鑑賞体験はずっと忘れないだろう。

ジョルジョーネ(1476~1510)の代表作‘嵐’と再会するのを楽しみにしていたが、残念ながら貸し出し中だった。で、もうひとつの傑作‘老婆’を気合を入れて見た。‘老婆’と10年前に対面したとき、その真に迫る内面描写に驚愕した。‘近代の肖像画のような絵をジョルジョーネは16世紀の初めに描いていたのか!’婆さんのしわくちゃだらけの顔と何か言いたそうな表情が心をズキンと打つ。なんともすごい絵である。

ロット(1480~1556)の‘書斎の若者’にも昨日取り上げた‘若者の肖像’同様、足がとまった。若者の内面を鋭くとらえた表現にはまったく恐れ入る。ロットはジョルジョーネやティツィーアーノ(1485~1576)とともにベリーニ工房で学んだ画家の一人。ティツィアーノの人物画にも‘ブラーヴォ’のような絵があるから、ベリーニ工房の3人衆はいずれも内面描写に長けていた。ロットにだいぶ近づけたような気がする。

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コメント

こんにちは、イタリア報告佳境にはいってますね。ジョルジョーネの『老婆』は日本にきた事ありましたっけ?どこかで見たことあるような気がしまして。ルネッサンスといえば、わたしは一昨年亡くなった若桑みどりさんに心酔しておりました。彼女のなまの講義を聴けた学生たちが羨ましくてたまりません。

投稿: gara | 2010.02.04 10:46

to garaさん
garaさんは亡くなられた若桑みどり女史の
ファンでしたか!私も女史から多くのことを
学びました。ときどきお書きになった本を
読み返してます。

ジョルジョーネの‘老婆’はアカデミア美の
至宝といってもいい傑作ですから、館の外に
はださないと思います。日本にも来ていま
せん。もし、これが来たら本当にすごいです
ですが、アカデミア美は人気の観光地、ヴェ
ネツィアにありますから、その可能性は小さ
いでしょうね。

投稿: いづつや | 2010.02.05 01:20

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