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2010.02.09

ビバ!イタリア  サン・ロッコ同信会館の‘磔刑’と再会!

1209_2   ティントレットの‘磔刑’

1210_2            ティントレットの‘ゴルゴタの丘登り’

1211_2     ティントレットの‘岩から水を湧き出させるモーゼ’


1212_3   ティントレットの‘受胎告知’

フラーリ教会のすぐ隣にあるサン・ロッコ同信会館にもお目当ての絵があるので、テンションはプラトーモードのまま。10年前、サン・ロッコでみたティントレットの壁画、天井画はティツィアーノの‘聖母被昇天’同様、エポック的な鑑賞体験だった。その絵をまた見るのだから、自然に気が張ってくる。

ティントレット(1518~1594)は1564年(45歳のとき)からここに飾られる絵を描きはじめ、23年かけて68点の作品を完成させた。最初が2階奥の接客の間(1564~
67年)、次が2階大広間(1575~81年)、そして最後に1階大広間(1583~87年)を仕上げた。絵の題材は旧約聖書と新約聖書の有名な場面からとられている。

キリスト教の信者ではないから聖書に精通しているわけではないが、西洋絵画や彫刻と長いこと付き合っているので、天地創造やモーゼの話、キリスト物語については西洋美術の趣味がない人に較べたら多くのことを知っているかもしれない。前回は作品に描かれている内容を解説した日本語の小パンフレットがあり、これが大いに役立ったが今回はみかけなかった。図録は前と変わらず日本語版はない。

最も感動するのは接客の間の正面に掛けてある大作、‘磔刑’。磔刑の絵はこれまで数多くみてきたが、この絵が一番すごい。まさに言葉を失う。縦5.18m、横12.25mという絵の大きさに圧倒されるが、ここに描かれている劇的な雰囲気はマグニチュード7クラスの衝撃度で体を揺すぶる。多くの人物は大胆な短縮法で描かれているので、磔にされたキリストを下から見上げる感じ。そして、ティントレットは中心に配置したキリストの部分に光を強く当て、磔刑の悲劇性をいっそう掻き立てている。

‘ゴルゴダの丘登り’は構図が実にいい。一歩先に丘に連れて行かれるキリストは後から坂を登ってくる二人の罪人と中央で上下に交差するように描かれている。坂は傾斜があるのでキリストは相当苦しそう。この絵も忘れられない一枚。

2階大広間に描かれた天井画でお気に入りは旧約聖書・出エジプト記の‘岩から水を湧き出させるモーゼ’。みてわかるようにモーゼが神の言いつけどおり岩を打つと水があふれでてくる。水が下に落ちる曲線のフォルムがなんとも奇跡の水らしい。奇跡が起これば光も輝く。暗さが支配的な画面のなかで、モーゼの背景は光に照らされ神秘的な効果を生んでいる。

‘受胎告知’にもティントレットの画風がよくでている。目を奪われるのが黄金のハトの上にドドドッっと飛んでくるプットたち。われ先にと小さな窓を通っている。天使が宇宙遊泳して、マリアにキリストを身ごもったと告げにきたのだから、そんなに大勢で押し寄せることもないのだが。おめでたいことだから、可愛いプットたちは皆で行こうということになったのだろう。エライね。

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コメント

ビバ!イタリア サン・ロッコ
 
わくわくしながら楽しんでいます。ティントレットの受胎告知大好きです。受胎告知ファンとしては10指にはいる絵です。テートギャラリで買った受胎告知の本をいつもみて楽しんでいます。絵葉書も収集しています。明日も楽しみにしています。

投稿: ミケラン | 2010.02.10 13:04

to ミケランさん
ティントレットの‘受胎告知’は画面全体に
動きがあっていいですよね。感動を共有でき
ることをとても喜んでます。

フィレンツェでもあの受胎告知とも再会して
きましたので、いずれアップいたします。
すこしお待ちください。

投稿: いづつや | 2010.02.10 23:08

さすが、どの作品も始めて目にするものばかりで素晴しいですね。
僕はティッィアーノとティントレットの作品の見分けがつかないんですが(笑)

投稿: アキラ@ | 2010.02.11 07:37

to アキラ@さん
ルネサンス絵画というとダ・ヴィンチ、ボッティ
チェリ、ラファエロから馴染んでいきますから、
はじめのうちはティツィアーノとティントレット
って誰れという感じですね。

二人の絵画に開眼したのは99年にヴェネツィア
を訪問したときでした。今では心から愛してます。

投稿: いづつや | 2010.02.11 14:50

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