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2010.01.15

国内にある柴田是真の傑作に釘付け!

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三井記念美で行われている‘柴田是真の漆×絵’(12/5~2/7)は年が明けてあらたに14点が登場したのでまた出かけた。

エドソンコレクションの傑作は前回(拙ブログ09/12/12)しっかりみたから、追加作品5点をさらっとみた。このうち、興味を惹いたのは‘瀑布に小雀図’。水しぶきをあげて落ちる滝を小さな雀が岩にとまってみている。よくある画題だが、この雀の格好に思わず足がとまった。普通に考えるとありえないのだが、雀の体はセミが木にとまっているみたいに滝を真下にみる格好になっている。

この絵がとてもおもしろいと感じられたのに、‘雪中虎図’は雪の形がどうもしっくりこない。上から広がる雪の逆三角形が虎を隠しすぎなのである。このため、雪に負けて虎の存在感が弱くなっている。同じように手前の雪が邪魔だなと思うのが板橋区美蔵の‘鴨図’。

前回みた‘四季花鳥図屏風’(東博)は金雲が目立ちすぎで花鳥画としては失敗作だなと思っていたが、今回の2点もNG。どんな才能のある絵師だって、少しは平凡な絵がある。調子が乗らないまま描いたのだろう。

この回顧展の大きな収穫はすばらしいエドソンコレクションをみれたことだが、国内の美術館や個人から集められた蒔絵や絵画に心を揺すぶるのがいくつもある。とくに釘付けになってみたのは、

★‘富士田子浦蒔絵額’(福富太郎コレクション):上の画像
★‘果蔬蒔絵額’(板橋区美):真ん中
★‘五位鷺に水葵図杉戸絵’(宮内庁):下

大作の‘富士田子浦’(通期展示)は初めて公開されるのだそうだ。‘へぇー、日本のコレクターが所蔵していて、しかもこれほどすばらしいものがこれまで展示されなかったの?!’という感じだが、幸運なめぐりあわせに感謝したくなる。

目に力が入るのが浜辺で男や女たちが塩作りに精をだしている場面。実に生き生きしている。青海波塗で表現した波は正面からそのままみるより、屈んで下から見上げるほうがよい。そうすると美しい波の文様が目に飛び込んでくる。この蒔絵は一生忘れないだろう。

1/13から展示された‘果蔬’は大きな南瓜とうすピンクの柿が心をとらえて離さない。柿の表面には蟻まで描かれている。じっとみていると若冲の‘菜蟲譜’や‘果蔬涅槃図’を連想した。

10年ぶりにみた‘五位鷺’(1/13~2/7)は前回同様、鷺の鋭い目にドキッとする。緑の水葵の葉脈を表す丁寧な描線をしっかり目に焼きつけた。絵の完成度ではこれが一番。

帰り際、ミュージアムショップで‘別冊太陽 柴田是真’(09年12月 平凡社)を購入した。頁をめくるとこの回顧展に出品されなかったものが何点も載っている。この先1点でも多くみれると嬉しいのだが。

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コメント

こんにちは。いつも楽しいブログをありがとうございます。
泉屋博古屋館分館で、柴田是真「鶏籠色絵蒔絵硯箱」が出品されています。小さな作品ですが、得した気分になりました。
3月14日(日)までです。

投稿: みどりがめ。 | 2010.03.05 23:36

to みどりがめさん
是真作品の情報、誠にありがとうございます。
助かります。

投稿: いづつや | 2010.03.06 14:28

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