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2010.01.14

観るやきもの・使ううつわ 陶磁器ふたつの愉楽!

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新しい根津美は今年の9月まで新創記念の特別展を8回行う。1年間で所蔵のお宝のおそらく8割方は展示されるのではなかろうか。だから、すでにみたものが多いとはいえ、どれも顔を出しておきたい。

第3弾は‘陶磁器ふたつの愉楽’(1/9~2/28)。作品の入れ替えがないから、会期中はいつ出かけてもリストに載っている作品は全部みられる。こういう西洋画の展覧会と同じスッキリ展示は本当に好感がもてる。展示期間が1ヶ月半と短いが、これだと前期・後期に分ける必要がなく1回の鑑賞で終わる。

昔から展覧会へは1回しか行かない。長年来の友人が絵画の鑑賞は‘一期一絵’(いちごいちえ)とおもしろいことを言っていたが、まさにわが意を得たりという感じ。だが、日本画の場合、どうしても展示替えのためこの基本原則が崩される。

それが皇室の名宝展のように前期・後期で作品が総取っ替えになり、料金がセットで買うとかなり割引になるのなら納得がいく。でも大半の場合、こういうお客の便宜を考えた展示にはなっておらず、相変わらず割引があまりなく、各期に出動すると割高な料金を毎回払わされる。

こんなやり方を続けていたら、お客は確実に西洋絵画の展覧会のほうに流れていく。今は人々の所得の減少が大きくなっており、以前ほど展覧会にお金をつぎこめない。となると、フェルメールの‘青いターバンの少女’だ、ルノワールだゴッホだマネだと大攻勢に転じている西洋画のほうへ若い人やシニアの関心とお金はシフトしていく。

東博の長谷川等伯展と千葉市美の若冲展は人気を集めると思うが、ほかの日本美術展はどうだろうか?いろいろ工夫してお客の心の中に入っていかないと、かなり厳しい状況になるのではないかとみている。

新根津美は特別展のほか‘円山四条派の絵画’、‘中国古代の青銅器’、‘茶道具と名物裂・更紗’、‘新春を寿ぐ’をみせてくれて料金は1200円。これだけ楽しませてくれたら、次もまた来ようかという気になる。明らかに来場者の心をしっかりつかもうという姿勢がみえる。

表看板はやきものなのだが、ここはサービス精神が豊かだから今年の干支、寅にちなんだ雪村の‘龍虎図屏風’(上の画像、左隻)を登場させる。久しぶりにみたこの虎は応挙の虎同様、かなりゆるキャラ系。猫タイプの虎の元祖かもしれない。

観るやきものと使うやきもののふたつの視点からこの部屋に飾られているのは60点。お宝がドドッとある。ここには重文の青磁が3点あるが気前よく2点、真ん中の‘青磁筍花生’(龍泉窯、南宋時代・13世紀)と‘青磁蓮唐草文水瓶’(高麗時代・12世紀)を展示。いつみても青磁の青にはしびれる。再会を心ゆくまで楽しんだ。

今回とても気に入った備前があった。下の‘緋襷鶴首瓶’。たしかに、鶴の細い首を連想させる。また、お馴染みの‘焼餅文洲浜形鉢’の土味にも魅了された。

大晦日にアップした追っかけのやきもの(09/12/31)、尾形乾山の‘色絵絵替土器皿’と‘唐物肩衝茶入 銘松屋’(ともに重文)が年が明けたら、ひょいと登場してくれた。長年の夢が叶った‘色絵’は波間に沢山描かれた帆掛け舟の文様と大胆にデフォルメされた水流文にとくに吸い込まれた。

‘茶道具’のところにお目当ての‘松屋’が展示してあったので興奮した。また、小さな‘瀬戸丸壺茶入 銘 相坂’(重文)にも200%心を奪われた。こんないい茶入だったとは。‘松屋’が茶色の美なら‘相坂’はコーヒーに濃いミルクを垂らしたようなイメージ。幸運にも茶入の名品が二つ一緒にみれた。これは春から縁起がいい!

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