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2009.12.21

待望の村山槐多展!

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現在、渋谷の松涛美術館で‘村山槐多展’(12/1~1/24)が開催されている。この画家は東近美へ行くたびに上の代表作‘バラと少女’をみるので、青木繁や岸田劉生と同じくらいの強さで頭の中にインプットされている。でも、はじめのころは槐多(かいた)が読めなかった。

村山槐多は1896年横浜の生まれで、1919年に22歳の若さで亡くなっている。だから、その絵が世の中に認められ、類まれな才能が発揮された期間は5年たらず。20歳で生涯を終えた関根正二同様、本当に短い画家人生だった。

槐多の絵で画集に載っている有名な絵は東近美であった‘20世紀美術がのこすもの展’(02年)&‘青木繁展’(03年)、神奈川県近美葉山館の‘時代と美術の多面体’(07年)でみたから、どんな画風かはおおよそわかる。が、体験した絵が少ないから心の80%は‘村山槐多は一体どんな画家だったの?’で占められている。

前期(12/1~27)の出品作はデッサンをいれて100点くらい。後期(1/5~24)に16点が入れ替わる。惹きつけられる絵はやはり‘バラと少女’。この絵で少女は岸田劉生の‘麗子像’(拙ブログ07/11/7)や関根正二の‘三星’とか‘少年’(07/2/4)のように写実的に描かれてなく、その姿はこけしや彫刻像みたいにみえる。縦に走る幅広の線が印象的な着物を身につけた少女のほっぺは真っ赤。その後ろで咲き乱れる赤いバラがこの少女の生命力を祝福しているかのようである。

真ん中の‘自画像’はものすごく気になる絵。この絵に会ったときからその気持ちは変わらない。画面全体は暗い印象をうけるが、目にとても力があり、じっと向き合っていると若さゆえの純でロマンチックな感情のほとばしりにたじろいでしまう。青木繁の絵にも同じような気持ちにさせられる自画像がある。

今回の一番の収穫は下の‘紙風船をかぶる自画像’。丸坊主の槐多の自画像をみると神経質でもっといかつい顔をしているのに、この絵では女みたいな顔つきをしている。これをみてすぐ思い浮かんだのがピカソが‘青の時代’に描いた自画像(08/10/25)。ご存知のようにピカソは自分を実像とはかけ離れた表情がやわらかく青白い顔をした青年に仕上げた。

槐多がこの絵を描いたのは18歳。この頃、美少年に恋していた。その恋文が展示されている。男色というよりは女性の美しい肉体にあこがれるのと同じ感情をやわらかい男に抱いたというほうがあたっている。美に対する感性は研ぎ澄まされているから、こういうことがあってもおかしくはない。で、自分もこの子のように美しくなりたいという変身願望が槐多にこの自画像を描かせたのかしれない。

関心の高かった村山槐多の回顧展に運良くめぐり合ったのを大変喜んでいる。次は関根正二。東近美あたりが開催してくれると嬉しいのだが。

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コメント

素晴らしい鑑賞でしたね。
僕もアトリエが近くなので
見に行きたくなりました。

投稿: 永井雅人 | 2009.12.25 18:59

to 永井雅人さん
村山槐多はやはりすごい才能をもった画家
ですね。こういう回顧展で作品をいろいろ
みるとその感を強くします。

松涛美は本当にいい展覧会をひらいてくれま
すね。目が離せません。

投稿: いづつや | 2009.12.26 23:19

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