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2009.12.22

09年感動の展覧会・ベスト10!

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今年出かけた展覧会の感想記は村山槐多展で終了。インドのアジャンタ石窟寺院などを含めて美術館を訪問した回数は170。昨年の164回をすこし上回った。

ここ2年は鑑賞済みの美術品が増えてきたこともあり、出かける展覧会は重点作家や分野に絞り込んでおり、美術館めぐりは‘選択と集中’に徹した企画展と東博の平常展を軸にしてまわっている。そして、鑑賞の対象は絵画から古代遺跡、彫刻、工芸へシフト中。

恒例となった1年のまとめ、‘09年感動の展覧会・ベスト10!’は出動の回数を絞っている分、あまり悩まない。展覧会へ出かけるのは追っかけ作品を鑑賞するためだから、最終的にリストアップされるのは未見作品のインパクトの総量が大きかったものになる。

このため、すばらしい名画が沢山やってきた‘ルーヴル美名品展’(西洋美)や‘ハプスブルク展’(国立新美)のような一級の展覧会でも、過去にみた作品が多かったのでリストからはずれる。

とりわけ感動の度合が大きかった展覧会を西洋美術から4つ、日本美術から6つ選んだ。いつもの通り、拙ブログでは展覧会に順位はつけない。開催された順番に並んでいる。上の画像は若冲の新しく発見された象さんの絵だが、これが展示された‘若冲ワンダーランド’がNO.1だったということではない。

★‘よみがえる黄金文明展’     1/29~2/15    大丸東京店

★‘マーク・ロスコ 瞑想する絵画’  2/21~6/7     川村記念美術館

★‘ゴーギャン展’           7/3~9/23     東京国立近代美術館

★‘トリノ・エジプト展’         8/1~10/4     東京都美術館

★‘まぼろしの薩摩切子’       3/28~5/17    サントリー美術館

★‘写楽 幻の肉筆画’       7/4~9/6       江戸東京博物館

★‘冨田渓仙展’           8/8~9/23      茨城県立近代美術館

★‘若冲ワンダーランド’       9/1~12/13     MIHO MUSEUM

★‘皇室の名宝展’          10/6~11/29    東京国立博物館

★‘清方 ノスタルジア’       11/18~1/11    サントリー美術館

古代トラキアの秘宝、‘黄金のマスク’を大丸でみたときの感動は一生忘れないだろう。黄金はアテネの国立考古学博物館にある‘黄金のマスク’(ミケーネ遺跡から出土)より数倍輝いていた!

今年は遺跡関連の展覧会が多かった。そのなかで、美意識が最も高揚したのがトリノからやってきた古代エジプトの彫像。‘イビの棺の蓋’と‘アメン神とツタンカーメン王の像’を息を呑んでみた。こんなすばらしい像が日本で見られたのは本当に幸運だった。

マーク・ロスコの‘シーグラム壁画’展示は現代アート関連の企画展ではエポック的な出来事。お陰でロスコがだいぶ近くなった。来春、アメリカの美術館で再会するのがとても楽しみ。

当初あまり期待してなかった‘ゴーギャン展’だったが、未見のいい絵があり、大満足だった。流石、東近美という感じ。

サントリー美は薩摩切子と鏑木清方でうっとりさせてくれた。この美術館は本当にファンの期待値に応えてくれる。その高い企画力をこれからも存分に発揮してほしい。

浮世絵展は毎年海外からの里帰り展が目を楽しませてくれる。江戸東博で公開されたギリシャのマノスコレクションには浮き浮きする名品が沢山あった。摺りの状態のいい浮世絵をみるときほど幸せなことはない。

2回通った茨城県近美で冨田渓仙の実力をまざまざと見せつけられた。対象の巧みな動感描写と美しい花の絵に釘付け。いい思い出になった。

若冲の‘象と鯨図’を心から楽しんだ。水墨画にしろ著色画にしろ若冲の絵にはやはり魅せられる。来年また千葉と静岡で回顧展があるから、プラスアαに今から気持ちが向かっている。

10年ぶりの‘皇室の名宝展’は別格の展覧会だった。前回見逃した芦雪や海北友松の絵がリカバリーでき、正倉院にある見事な螺鈿装飾の楽器などをみることができた。これほど嬉しいことはない。

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コメント

こんばんは。

今年の残すところあと僅かとなりました。
いづつやさんのブログを拝見して出かけた
展覧会も数知れず。大変お世話になりました。

TB送らせて頂きます。

投稿: Tak | 2009.12.25 23:01

to Takさん
こちらこそお世話になりました。古代トラキア
の黄金のマスク、これはTakさんに救われました。

今年は古代遺跡もののいい企画展がいっぱいあり
ましたね。鑑賞の対象もこちらのほうへ徐々に
シフトさせてます。

投稿: いづつや | 2009.12.26 23:25

こんにちは。ベストを拝見しました。
ゴーギャンは出品数こそ少なかったものの、名品揃いで壮観な展示でしたね。またロスコを挙げておられるのも僭越ながらファンとしては嬉しいです。川村の底力を見た思いがしました。

今年もブログを拝見してたくさん勉強させていただきました。
良いお年をお迎え下さい!

投稿: はろるど | 2009.12.29 14:53

to はろるどさん
今年もあと二日ですね。ゴーギャン展とマーク・
ロスコ展は世界中のブランド美術館で開催される
企画展にまったく見劣りしないすばらしい展覧会
でしたね。誇らしい気分になります。日本が美術
大国であることをあらためて実感します。

来年は前半は等伯展、若冲展が目玉になりそう
ですね。どうか良いお年をお迎え下さい。

投稿: いづつや | 2009.12.29 23:37

鏑木清方、今まで自分では、どうもとらえどころがなく感じられて、他の美人画家に比べて今一つだったのですが、今回のノスタルジアで、まとまった清方を見て、180度印象が変わりました。

投稿: 一村雨 | 2009.12.31 05:42

to 一村雨さん
清方の回顧展を機に追っかけ作品は全部紹介し
ましので、清方は当分お休みにしようと思います。
で、美人画は浮世絵のほうが多くなりそうです。

良いお年をお迎え下さい。

投稿: いづつや | 2009.12.31 16:28

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