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2009.12.08

目玉のないロートレック・コネクション展!

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Bunkamuraで現在、開催中の‘ロートレック・コネクション展’(11/10~12/23)はロートレックの生地アルビにあるトゥールーズ=ロートレック美術館の館長が監修したというので、この美術館にある油彩の名画が1点くらいやってくるかなと期待していた。が、大ハズレ!

Bunkamuraは西洋画の展覧会では東京都美とともに高く評価している美術館なのだが、今回は不作。これに出かけられた方はたぶん‘目玉の絵がないなぁー’という感想をもたれるはず。率直に言って昨年サントリー美であったロートレック展(拙ブログ08/2/17)を楽しんだ人はパスされたほうがいい。

サントリーがオルセーにある人気の絵をはじめいい油彩を沢山あつめてきたから、1年後にまたこれに匹敵する内容のロートレック展をするのは確かにキツイ。日本で行われるロートレックの展覧会というとポスター中心というイメージが強いが、今回も見栄えがするのはポスターばかり。サントリーでは有名なポスターもしっかり展示してあったから、国内のポスターコレクションを目いっぱい並べても、それほど惹きつけられない。

で、主催者もそこはわかっているから無理やりロートレックとつながりのある画家の作品を取り揃えて‘コネクション’にしてみた。だが、ほかの画家の作品を集めれば集めるほど、ロートレックへの求心性が薄れ、‘私は一体誰の絵をみにきたのかしら?それにしてもグッとくるロートレックがないわねぇー’となる。アルビの美術館の館長が監修したからといってつまらないものはつまらない。

アルビからは上の‘マルセル’など11点の油彩が出品されている。このなかで‘マルセル’はいい絵だと思うが、いかんせん小さい。ほかの絵もどれも小さな絵。TASCHEN本にはアルビ蔵の‘ムーラン街の客間にて’や‘ル・アーブルのスター’などの傑作が何点も載っている。こういう本家の美術館自慢の絵を1点でも飾ってくれれば即○をつけるのに。目玉の絵がなく、低ランキングの絵だとロートレックの絵をみたという気分にはなれない。

油彩全体を見渡してみて一番よかったのは結局、鑑賞体験のあるポーラ・コレクションの‘ムーラン・ド・ラ・ギャレット’だった。ポスターも日本には‘シンプソンのチェーン’(真ん中)などいいのが揃っているから、監修を引き受けたアルビの女性館長は何の仕事をしたの?そうか、うっかり忘れるところだった。今回の収穫、ドニの絵‘ランソン夫人と猫’(モーリス・ドニ美、下)をわざわざ手配してくれたのは館長さんだった。

でも、ほかの画家の絵を構想する前に、本家の所蔵品のなかでどれをもって行ったら日本のロートレック愛好家は喜んでくれるかを熱をいれて検討してほしかった。なかなか行けないアルビにあるロートレックの名画を多くのファンはみたがっているのだから。残念!

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