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2009.12.04

平木コレクションのすべて 浮世絵百華展を堪能!

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渋谷にあるたばこと塩の博物館で今、すばらしい浮世絵展が開催されている。平木コレクションを公開する‘浮世絵百華展’は前期(11/21~12/13)と後期(12/15~1/11)で作品(ともに70点)が全部入れ替わる。先般行われた‘皇室の名宝展’同様、ここでもスッキリ展示。しかも料金は300円と格安。

2年前、プロの摺師と展覧会を見終わったあと話をする機会があったが、平木コレクションは摺りの状態がとてもいいので、ららぽーと豊洲内にあるUKIYO-e TOKYOをときどき訪問すると言っておられた。そのことは実際、ららぽーとへ何度も通っているとよくわかる。

浮世絵は大きくない絵だから70点といってもワンフロアーにちゃんとおさまり、ささっと見ると15分で終わる。でも、こういう質の高いコレクションは1点々が見ごたえがあるから、時間がどんどんたっていく。

いつものように重点絵師の春信、歌麿、広重に注目してみた。春信は4点ある。座敷八景の‘あんとうの夕照’と‘琴路の落雁’、上の‘鷺娘’、そして‘風流六哥仙 僧正遍照’。このうち‘鷺娘’ははじめて見る絵。キメ出しで雪のふわっとした感じを表現しているのがすごい。こういういい浮世絵をみると本当に幸せな気持ちになる。

歌麿はららぽーとでもみたことのある‘芸者亀吉’(拙ブログ07/10/11)など4点。清長の代表作のひとつ‘六郷渡船’(07/6/1)や‘隅田川渡船’に描かれた女性の表情や波の動感描写にも足がとまる。女3人が上の松と下の勢いのある波とで挟み込まれるように描かれている窪俊満の‘六玉川之内 高野’がこれまたいい。

夢中になってみたのが広重の‘江戸近郊八景之内 玉川秋月’(真ん中)、‘芝浦晴嵐’、‘飛鳥山暮雪’(05/1/5、いずれも重文)。同じ絵でも平木コレクションのものは摺りがワンランク上。‘玉川秋月’では川の青のすばらしいグラデーションや中景から遠景にみえる木々の墨の微妙な変化が心を揺すぶる。

色彩が鮮やかな北斎の‘絵本隅田川両岸一覧’はお気に入りの絵。これは入館してすぐのところに飾ってある。その隣にあるのは傑作。見る度にKOされる‘富嶽百景’の一枚、‘龍と富士山’(下)。いつかこれを紹介しようと思っていた。

左下で頭のてっぺんをこちらに向け、富士山を仰ぎ見ている龍の姿は誰かの絵にでてくる龍と似ている。それは横山大観が描いた‘生々流転’(05/11/26)の最後の場面に登場する龍。大観は北斎の絵をみたにちがいない。

後期にも浮き浮き気分で出かけたい。

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コメント

重要文化財、重要美術品のオンパレードでした。
春信の雪の空刷り、きめ出し、見事でした。
でも、高橋コレクションの方が、発色が美しいと感じたのは私だけでしょうか。

投稿: | 2009.12.06 17:20

to 一村雨さん
平木コレクションの広重の重文3点にみられる
グラデーションはやはりすごいです。また、春信
4点もすばらしいです。

重美の指定を横において写楽の一部は明らかに高橋
コレクションのほうがいいですが、歌麿はやはり
平木のほうが上です。

投稿: いづつや | 2009.12.06 23:10

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受信: 2009.12.06 17:22

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