日本画家平山郁夫 死去
日本画家の平山郁夫が今日午後、脳こうそくで亡くなった。79歳だった。院展に最新作を出品し、現役ばりばりという感じだったから、残念でならない。心からご冥福をお祈りしたい。合掌!
広島市に9年住んでいたこともあり、原爆に被爆した平山郁夫の絵には特別の思い入れがある。回顧展にはこれまで4度足を運び、奈良・薬師寺の壁画もみた。
‘平山郁夫美術館 開館記念展’(97年 瀬戸田)
‘薬師寺・大唐西域壁画の公開’(00年 奈良・薬師寺)
‘高句麗今昔を描く 平山郁夫展’(01年 日本橋高島屋)
‘平成の洛中洛外 平山郁夫展’(05年 日本橋三越)
‘平山郁夫 祈りの旅路’(07年 東近美)
インド旅行を体験したばかりだから、平山郁夫がインドを描いたものをとりあげてみた。
★ブダガヤの大塔(1983年、個人):上の画像
★大唐西域壁画 デカン高原の夕べ(00年、薬師寺):真ん中
★入涅槃幻想(1961年、東近美):下
‘青’の画家というと東山魁夷をすぐ思い浮かべるが、平山郁夫の‘青’にもとても魅せられている。とりわけ惚れているのが‘月華厳島’(1993年、個人、拙ブログ07/9/11)と‘ブダガヤの大塔’(ともに07年の回顧展に出品された)。
また、山種美が所蔵する‘阿育王石柱’(1976年)はサーンチーで獅子の像をみたので、これまでとは見方が変わった。
デカン高原の光景は撮った写真より、平山郁夫の絵のほうが現地の空気を思い出させてくれる。絵心のある画家の作品というのは本当に力がある。
‘入涅槃幻想’も心に響く絵。釈迦はクシーナガルの沙羅双樹の下で北に頭をむけて横たわり入滅したという。泣きじゃくる弟子たちに言ったことが胸にずしんとくる。
‘諸々の事象は過ぎ去るものである。怠ることなく修行を完成させなさい’。
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コメント
お久しぶりです。
このニュースには驚きました。非常に残念ですが、作品は今後も我々に感動を与え続けてくれるでしょうね。
謹んで哀悼の意を表します。
投稿: 21世紀のxxx者 | 2009.12.03 02:00
to 21世紀の×××者さん
突然の訃報にびっくりしてます。最近二重あご
になられて随分太られたなと思っていたのですが、
まさかこんなことになろうとは。しばらく静か
にしていようと思います。
投稿: いづつや | 2009.12.03 23:10