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2009.12.18

好感度が低下する新山種美術館!

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新山種美の‘東山魁夷と昭和の日本画展’(12/5~1/31)をみてきた。ここへは開館記念の速水御舟展に続いて2度目だが、この美術館に対する好感度は低下するばかり。新美術館はいくつも経験したがこういうのは珍しい。

まず、入場料を払う際のヘンな対応で出鼻をくじかれた。次回の‘大観と栖鳳展’(10/2/6~3/28)の前売り券(1000円)が案内されていたので、これを一緒にお願いして3000円出した(入場料1200円+1000円)。

すると、この女性は‘前売り券は別ですから、まず2000円いただきます。おつり800円です’と言う。そして、隣に移って前売り券を封筒に入れ‘千円をいただきます’。で、千円を払う。???どうして、3000円をもらって、2枚のチケットを一緒にしておつり
800円をわたせないの?まったくあきれてしまった。

九段下にあった山種美ではさっと入館して、あまり長居はせず質の高い日本画を楽しみ、受付に預けていたバッグを受け取り、とてもいい気分で帰るパターンが多かった。ところが新山種美はJRあるい地下鉄の恵比寿駅からここまでたどりつくのがとてもおっくう。九段下のときもアクセスは悪かったが、新館の場合、坂道プラス途中の歩道橋がアクセスの悪さを余計に印象づける。さらに、館に入ってまた展示室がある地下まで階段を降りていかなければならない。

出品作は52点。うち東山魁夷は8点あるが、これらは皆鑑賞済み。ここにある東山魁夷の絵は大作ではないが、すばらしいものばかり。一番のお気に入りは‘年暮る’(拙ブログ05/12/11)。暮れになるとこの絵を無性にみたくなる。そして、俯瞰の視点がぐっとくる‘緑潤う’や‘月出づ’にも惹きつけられる。

今回足を運んだのは山種美にある東山魁夷作品の図録が欲しかったから。出光美のようにほかの画家の絵も入れて1500円くらいでつくってくれるかなと期待していた。が、これは見事に裏切られた。展示されているのは一級の日本画だから、内容については文句のつけようがない。が、入場料の1200円は高すぎる。九段下のときも作品の数はこれと同じくらいでていた。でも、料金は800円でしかもぐるっとパス券が使えた。

1300円のサントリー美の‘鏑木清方展’や1200円の新根津美の‘根津青山の茶の湯展’と較べると、ここの1200円はすごく割高。前と内容は同じなのに400円も値上げしている感じ。料金は大幅値上げ、図録も制作しないでは、所蔵作品はだいたい目の中におさめているからもう数回来たら、東近美のように足が遠のく。

この美術館はいつまでも所蔵品だけで企画展を構成するのだろうか?いい作品が揃っているのは十分わかっているが、それだけでお客を呼べる?高い料金、アクセスの悪さ、窮屈な印象を与える展示空間、スタッフの気持ちの通わない対応などマイナス面ばかりが目立つ現状では、日本画愛好家の館に対する好感度はだんだん低下していく。

西洋美術関係では相変わらずオルセーやルーヴル、ウィーン美術史美などブランド美術館の名画がひっきりなしに公開され、エジプト美術やギリシャ・ローマ美術の名品などもどんどんやってくる。日本美術だって、来年は大規模な長谷川等伯展があるし、人気の若冲展も開催される。また、奈良では‘大遣唐使展’がありボストン美蔵の絵巻の傑作が里帰りする。

近代日本画の老舗美術館とあぐらをかいておられるような状況ではない。サントリーや出光、五島のように他館の作品もあつめた特別展とかほかの美術館とのコラボを真剣に検討しないといずれ先細りになる。

やって欲しい日本画家の回顧展はいくつもあるのだが、ここは権威主義で有名だからその可能性はほとんどなさそう。

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コメント

いづつやさんこんばんは。今日行ってきましたが、本当に一流の作品が揃っていて、読売新聞の主催でもあるのに図録一つ作らないとはおかしいですよね。川崎小虎の息子さんの川崎春彦さんの作品とかもありましたし、東山の、年暮る、は川端康成の言葉がきっかけで京都四部作としてできたということですから、専門家の論文も、読みたい気がしました。山種はこのまま行くのですかね?ところでボストンというと朝日主催でボストンの名品が来年四月に森アーツセンターギャラリーに来るようですね

投稿: oki | 2009.12.19 22:55

to okiさん
新山種美はもう2回くらい行っておしまいにし
ようと思います。ここにある名画はすでに何年
も前から鑑賞済みなのにアクセスの悪い九段
下に出かけていたのは料金が安かったから
です。

新山種はアクセスがさらに悪くなり、前と同じ
内容で400円のアップでは出かける気になれ
ません。また、スタッフの質の低下もはなはだし
いです。館で働く人のコミュニケーションが悪い
のでしょう。サービスの悪い店の原因と同じです
ね。

それに暗くて洞窟のなかでみているような感じ
の展示室は好みではないですね。九段下のほう
がよかったし、これからは日本画が見たくなっ
たら広々とした東近美や東博に出かけようと思
います。

記念展の第2弾なのに図録がつくれないのは
財政が厳しいからではないですか。前の小冊子
タイプのものすらないのですから、期待ハズレ
もいいとこです。

いつまでも所蔵品の展示だけではここもいずれ
西洋画のブリジストン美のように魅力的な企画
展をしない美術館になりますね。で、訪問者も
徐々に減っていく。他館や個人蔵の作品も集め
た展示をしないと、確実にファンはこの美術館
から離れていきます。

日本ではもともと西洋絵画の展覧会のほうが
人気がありますから、来年新たにオープンする
三菱一号館美や最近よくなってきた国立新美や
西洋美などがいい作品を海外からもってくると、
日本美術の展覧会は企画力のある東博やサント
リー、出光のようなところにしか客は集まらない
でしょう。

森アーツセンターがボストン美の名画展をやる
のですね。いつも情報有難うございます。今、
森美は人気がないですから、まきかえしを図ろう
ということでしょうね。三菱一号館もマネ展をやり
ますから、西洋画は相当楽しくなります。こういう
状況を山種美はわかってませんね。

投稿: いづつや | 2009.12.20 09:27

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