« その二 デリー クトゥブミナールの高さにびっくり! | トップページ | 皇室の名宝展2期 その一 絵師草子にやっと会えた! »

2009.11.19

その三 心を揺すぶるエレファンタ島石窟寺院のシヴァ神像!

1015_2
1016_2
1017_2
インド最大の都市ムンバイでの市内観光はイギリスの植民地時代に建てられたゴシック様式のチャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅(2004年、世界遺産に登録)の前で写真を撮るだけで、メインはムンバイ湾から10kmのところにあるエレファント島の石窟寺院。フェリーはインド門からでており、1時間くらいで着く。

★インド門&タージ・マハル・ホテル(上の画像)
★石窟寺院の3面のシヴァ像(真ん中)
★シヴァの神話場面、‘ガンジス河の降下’(下)

前回ここへ来たときもエレファント島ヘは出かけたから、インド門(1911年)はなつかしく思い出された。でも、背景にあるムンバイのランドマークになっている超高級ホテル、タージ・マハルのことはまったく忘れていた。だから、旧館(向かって左)の豪華絢爛な造りを見て、ここが昨年11月26日、同時多発テロが起きた現場のひとつだったことをあらためて認識する始末。現在も一部は封鎖されたまま。それにしても、前回どうして写真を撮らなかったのだろう?

ムンバイの今の気温は33℃くらい、デリーより4℃ほど高い。服装は当然、半袖。夏を2回体験しているみたいなもの。フェリーのなかでは風が吹いているからそれほど暑さを感じないが、エレファンタ島に着いてからは汗が吹き出してくる。石窟は高いところにあるため、そこまでは石段を登る。楽な傾斜でもないから、籠のサービスを頼む女性も何人かいる。

この石窟はヒンドゥー教で最も信仰されているシヴァ神に捧げられた。これをつくったのは当時この地を支配していたカラチュリ朝のクリシュナラージャ1世(在位550~75年頃)。幅40mの列柱つきの広間に大きな3つの顔をもつシヴァ神像のほか‘ガンジス河の降下’など8つのシヴァの神話場面が浮彫で表現されている。

一番の見所はなんといっても3面のシヴァ像。中央の瞼をとじて瞑想する静寂な顔つきが心をとらえてはなさない。向かって左側の顔は忿怒の表情をしており、口ひげはよじれ、眉はつりあがっている。シヴァ神は破壊力でも知られ、時間(カーラ)、死(ヤマ)、暗黒(アンダカ)などさまざまな悪の力と戦うときは暴風雨のような凶暴な側面をみせる。これに対し、右の厚い唇を持った顔は美しい神妃パールヴァティーの幸せな表情をあらわしている。

‘ガンジス河の降下’の話はこう。ヒンドゥー教の神話によると、ガンジス河は天界を流れていた。伝説上の王バギラータの祖先が天国に入るためにはかれらの遺骨をガンジス河の水で清めなければならない。王はこれを発願して苦行すると、この祈りが天に届き、ガンジス河はもし誰かが強力な河の流れを受け止めることができたなら、地上に降りてくることにOKサインをだす。そこで王はシヴァ神に頼んだ。謹厳なバギラータに心を動かされたシヴァ神は頭で流れの強い河を受け止めた。河は千年もの間シヴァ神の髪のなかでさまよったあげくに、やっと細い川になって流れ出した。そして、バギラータの祖先は救われた。

レリーフには中央のシヴァ神の足元にバギラータが跪き、河の衝撃を頭髭で受け止めることを懇願している場面が彫られている。シヴァ神のもつれた髪の上で3つの頭をもつガンガー女神の姿で表されているのが3本の支流が合流するガンジス河。シヴァ神の右にいるのは最愛の妃パールヴァティーだが、ほかの女性を助けたので嫉妬し、ちょっと離れている。

シヴァ神にしてみれば‘バギラータのためにしたことなのだから、そんなに拗ねないでよ!’と言いたいところだろう。だが、シヴァはその後、ガンガー女神を第2妃にしているから、パールヴァティーの女心は一人勝手なものでもない。

|

« その二 デリー クトゥブミナールの高さにびっくり! | トップページ | 皇室の名宝展2期 その一 絵師草子にやっと会えた! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: その三 心を揺すぶるエレファンタ島石窟寺院のシヴァ神像!:

« その二 デリー クトゥブミナールの高さにびっくり! | トップページ | 皇室の名宝展2期 その一 絵師草子にやっと会えた! »