惚れ直した英一蝶の風俗画!
板橋区美へまたでかけ、‘英一蝶展’の後期(9/25~10/12)に展示された作品を楽しんだ。8点のために横浜からはちょっと遠いこの美術館に足を運んだのはひとえに英一蝶の絵が好きだから。
前期を見たとき(拙ブログ9/9)と同様、ユーモラスな絵や底抜けに楽しい宴会の場面を見て、心はプラトー状態。展覧会は12日に終了したので、お気に入りの絵とこれから追っかけたい絵をとりあげてみた。
★四季日待図巻:出光美(上の画像)
★僧正遍昭落馬図:大和文華館(真ん中)
★田園風俗図屏風:ワシントン、フリーア美(下)
この回顧展は展示作品50点がいいだけでなく、それらを収録している図録がとても嬉しい編集になっている。拍手を送りたいのが図巻‘四季日待’(重文)と‘吉原風俗’(サントリー美)の図版がふたつとも巻の最初から終わりまで全部大きいこと。
この2点は所蔵している出光とサントリーで開催された企画展などで数回みており、図録もあるのだが、どれも小さな図版に収まっていて、本物を見たときの楽しい気分が再現しづらくなっている。今回この図録が手に入ったので、絵を見る機会が多くなりそう。
‘四季日待図巻’のハイライトは上の最も浮かれている風流踊りの場面。踊りの輪のなかで一際目立つのが幇間。手にもった盃と扇子をリズミカルに振り、宴会の場をおおいに盛り上げている。
三宅島に流されていた一蝶は自分が幇間として吉原に出入りしていた頃を思い出して、この絵を描いたのだろう。逆境にあっても、心の中ではこんな晴れやかな気分を持ち続け、絵でそれを表現できたというのがすごい!
女郎花(おみなえし)に見とれて落馬した遍昭を描いた真ん中の絵は展示替えなどでこれまで相性が悪い。図録でそのユーモラスな表情を見るたびになんとかしなくてはと思っている。
フリーア美にある六曲一双の屏風‘田園風俗図’は来年春ワシントンを再訪することにしているので、ひょっとすると会えるかもしれない?サプライズがあればいいのだが。
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