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2009.10.13

パリに咲いた古伊万里の華!

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東京都庭園美に今、有田からヨーロッパに輸出された古伊万里の名品が里帰りしている。‘パリに咲いた古伊万里の華’(10/10~12/23)という洒落たネーミングをつけているから、期待して入館したが、見ごたえのあるものが揃っていた。出品作165点はコレクター碓井文夫氏が長年にわたってパリを拠点にして収集したもの。日本で所蔵品が公開されるのははじめてのことらしい。

何年か前、あるTV番組で古伊万里を現地で熱心に購入して日本に里帰りさせている碓井氏を紹介していたのを記憶しているのだが、それがどこだったか思い出せない。碓井氏はたしか、栃木か群馬の人だったような気がするが?

古伊万里が最初に長崎からヨーロッパへ向けて輸出されたのは350年前の1659年
10月15日。明と清の戦乱のため景徳鎮窯から輸出できなくなった中国磁器の代わりにオランダ東インド会社が目をつけたのが日本の有田磁器。以後1757年までヨーロッパの王侯貴族の注文に応じて大量のやきものがつくられた。

今回は輸出された時期を4つにわけ作品をグルーピングしている。
1.輸出の始まりと活況(寛文様式、1660~70年代)
2.好評を博した日本磁器の優美(延宝様式、1670~90年代)
3.宮殿を飾る絢爛豪華な大作(元禄様式、1690~1730年代)
4.欧州輸出の衰退(享保様式、1730~50年代)

上は王侯貴族を夢中にさせた柿右衛門様式の‘色絵柴垣松竹梅鳥文皿’(1670~
90年代)。乳白手は‘どうしてそんなに白いのか!’と思うくらい白い。そして、その白地にくっきり映える柴垣、小鳥、松竹梅の青、赤、緑、黄色が目に焼きつく。ほかでは北宋の司馬光が少年時代に水甕を割って子供を救い出したという定番の画題を描いた八角皿などを楽しんだ。

この展覧会の収穫のひとつが1700~40年代につくられた口径50cmを超える金襴手様式の大皿。真ん中の‘色絵桜樹巻物冊子文’と‘色絵富士桜樹文’。ともに見込全体に文様が余白をあまりとらず、びっちり描き込まれている。日本人の美意識からすると‘なんとまあ、ビジーな絵付け!’という感じだが、西洋人は塗り残しに意味をみいださないから、どうしてもこんな絵柄になる。口縁部に巻物や冊子が描かれたものはお目にかかったことがない。

チラシに使われている下の‘色絵花鳥文蓋付大鉢’(1720~50年代)はヨーロッパの宮殿を訪問するとよく出くわす。合子(ごうす)というのは蓋と身を合わせた小型容器で、香合や化粧品入として使われるが、欧州の貴族は室内での見栄えを考えてかなり大きなものを要求する。金の装飾は現地で宮殿の室内装飾とマッチさせて行われる。

これと同じように金がどっと目のなかに入ってくる‘色絵鳳凰文八角蓋付大壺’が玄関のところに展示してある。金属部分まで入れると高さは85cmもあるから、見ごたえ十分。国内で開かれる古伊万里展では見ることのできないものをこれほど多く見れたのは無上の幸せ。碓井コレクションに感謝!

なお、このあと次の美術館を巡回する。
・九州国立博:10/4/6~6/13
・MOA美:7/17~10/3
・兵庫陶芸美:10/16~11/1/10


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コメント

おお、いづつやさん僕も今日行きました!庭園美術館にぴったりの企画ですよね。しかし高さ90センチとか口径60センチとか当時の最高技術だったんでしょうね!あとビールとかコーヒーの容器、当時の職人さんは何思って作っていたのかー。なんか中三階に特設ショップがあったので期待して入ったのですが図録以外めぼしい物がなかったようなー。ぐるっとパスで入ったのですが、次は大倉の根来をめざします

投稿: oki | 2009.10.14 00:59

to okiさん
仰るように庭園美には欧州テイスト古伊万里の
展示が似合いますね。初日に行ったのですが、
大皿あり、背の高い大壺ありで満足しました。
大作というのはやはり惹きつけられますね。

投稿: いづつや | 2009.10.14 09:49

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