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2009.10.25

今、高橋誠一郎浮世絵コレクションに夢中!

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現在、三井記念美で開催中の‘高橋誠一郎浮世絵コレクション名品展’中期(10/14~11/1)を楽しんだ。作品は前期(拙ブログ9/19)とは全部入れ替わり102点でている。数の多いのが春信(9点)、歌麿(9点)、北斎(16点)、広重(17点)。

目に力が入るのはやはり春信。前期に展示されたもの同様、摺りの状態がとてもよく、心が弾む。極上の浮世絵を見る機会はボストン美やギメ美、ベルギー王立美からの里帰り作品だけではなかった。日本にもあるところにはある。

Myカラーが緑&黄色だから、上の‘子供の相撲’は敏感に反応する。これは回顧展で見たが、遊女が鶴に乗って文を読んでいる‘鶴上の遊女’は初見。もうすぐやってくる冬の光景を描いたものは‘雪転がし’と‘風俗四季哥仙 庭の雪’。春信も広重と同じく雪を描くのが上手い。

今回の収穫は合戦絵2点。奥村政信の‘義仲最期’と真ん中の歌川国芳の‘宇田川合戦之図’。ともにはじめて見る絵で構図にとても魅せられた。奥村政信のような準ビッグネーム絵師の絵は東博の平常展でよく見るが、足をとめて見るのはあまりない。

これが海外からの里帰りした絵だと、政信でも北尾重政でも鳥居清倍でも、‘こんないい絵があったのか!’とひっくり返るくらいのサプライズがある。高橋コレクションの奥村政信をみてると、里帰り展のような気になる。それだけ質が高いということである。

国芳の絵は思わず‘ウワッー、これはすごい!’とつぶやいてしまった。馬が海を泳いで渡るのを実際にみたことはなく、映像で知るだけだが、この絵により宇田川の合戦のイメージがふくらんでいく。国芳は武者絵の名手、合戦の場面を広くみせ、暗い色調で緊迫感がストレートに伝わってくる馬と武士を見事に描いている。

広重はお馴染みの‘東海道五十三次’からは下の‘岡部 宇津之山’や‘藤沢 遊行寺’など8点がでている。‘岡部 宇津之山’で目を惹くのは緩くカーブしている坂道と川の両サイドの崖がV字のようになっているところ。道はちょうど中央あたりで上りが終わり、その向こうは下りになっている。ぱっとみると平面的な画面なのだが、広重は道や崖のフォルムに変化をつけることにより奥行きのある空間にしている。

北斎の絵で釘付けになってみたのは‘柳の糸’。浜の浪うち際の情景だから、あんな大げさな波頭はありえないが、絵のなかに見せ所を意図的につくるのが北斎流。

この展覧会はもう一回楽しみがある。後期(11/3~11/23)にも期待したい。

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コメント

いづつや様
日本もそろそろ秋の様相でしょうか。当地ロンドンは今日より冬時間です。さて、本稿大変興味深く拝見しました。実は11月初旬に東京に行く用事が発生し、展覧会を探していたところまさに絶好な情報が・・。残念ながら英一蝶には間に合いませんでしたが、この展覧会を楽しみに渡航しようと思います。

投稿: 青江 | 2009.10.26 04:48

to 青江さん
日本もちょっと寒くなってきまして、初冬の
感じです。

浮世絵好きの青江さんならきっと高橋コレク
ションはお楽しみになれると思います。また、
原宿にある太田記念美の‘江戸園芸花尽し’
の後期(11/1~26)も期待がもてそうです。
ただし、11/2と9の月曜日は休館です。

もし、太田に行かれるのでしたら、すぐ近く
にある明治神宮文化館の‘菱田春草展’が後期
(10/31~11/29、会期中は休み無し)をやっ
てますから、こちらにも寄られたらいかがでしょう
か。私もとても楽しみにしています。

投稿: いづつや | 2009.10.26 11:02

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