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2009.10.15

だまされて楽しく、変容マジックに酔わされるエッシャーの絵!

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横浜そごう美で開催中の‘迷宮への招待 エッシャー展’(10/10~11/16)を見てきた。6月にあった‘だまし絵展’(Bunkamura、拙ブログ6/14)でエッシャーの版画の代表作‘昼と夜’(06/12/30)と再会して、またエッシャー熱が高まっていたら、タイミングよくハウステンボス美の所蔵品と遭遇することになった。

作品は120点あまり。回顧展を2回経験するとその画家に限りなく近づけるから、Bunkamuraの回顧展で見なかった作品にサプライズがあることを期待して会場を進んだ。とくに惹き込まれたのが上の‘魚とうろこ’と真ん中の‘爬虫類’。

エッシャーの絵が見てて楽しいのはスタートはただの四角や三角や菱形がだんだん形を整えて、鳥や魚や爬虫類に変容するところ。‘魚とうろこ’はその変容のプロセスがほかに作品と比べるとちっと複雑で画面に動きがある。

原始状態は真ん中の右と左にある銀杏の葉っぱがいっぱいあるようにみえるところ。そこから白と黒の魚が進む方向を逆にしてだんだん、うろこをつけ体も大きくなっていく。こういうメタモルフォーゼを見るときは最初は白なら白の形に集中して見ないとダメ。ほわんと白も黒もみているとイメージが混乱、変容のマジックに酔えない。この絵は見慣れてくると魚のリズミカルで曲線的な動きにかなり痺れてくる。

‘爬虫類’は息を呑んで見てしまう。ノートの紙にデッサンされたワニがごそごそ体を動かして、本物のワニになってそこから出てくるのである。そして、本の上にあがり、小瓶になかに入ったりしてぐるりと一周し、またノートの中に戻っていく。この変容の繰り返しは本当におもしろい!

平面と立体の組み合わせは並みの発想からは生まれてこない。エッシャーはやはりスーパーエッシャー。‘出会い’もこれと同じタイプのもので、じっくり見ると惹きこまれる。見てのお楽しみ!

下の‘上昇と下降’(部分)は‘滝’とともにエッシャーのだまし絵のなかではだまされて楽しい絵。時計周りに歩く男たちは永遠に続く登り階段を進んでいる感じ。一方、反時計周りに歩く男たちは下り続けるようにみえる。これはありえない構造なのだが、ぱっとみると‘それもありだよネ!’と思えてくるから不思議。エッシャーは階段をあいまいにしたり、角をアバウトにつなげて不思議なイメージを取り去っている。

また、‘ベルベデーレ(物見の塔)’や‘版画画廊’もなんだか変な感じなのだが、じっとみていると‘このままみていればいいや’となる。お気に入りの‘昼と夜’もあったし、エッシャーワールドを存分に楽しんだ。ますますエッシャーの絵にのめりこんでいく。

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コメント

そごう美術館でエッシャーって前にもありましたよね。僕は観た記憶があるのでこれはパスです。もちろん面白いもの、いいものは何度観てもよろしいのですが、こうあちこちでいろんな展覧会が行われ、美術館の開館も相次ぐと時間がありません!あと今度の智美術館の展覧会、特別展のためぐるっとパス使用できないとか!三井記念を見習っていただきたいです

投稿: oki | 2009.10.16 00:18

to okiさん
そごうは前もエッシャー展をやってましたか。
Bunkamuraでこの画家に開眼しましたから、
2度目の回顧展にのめりこみました。シュルレ
アリスム絵画はライフワークですので、こう
いうダブルイメージとかメタモルフォーゼには
夢中になります。

智美の藤本展には出かけますが、特別展のため
ぐるっとパスはダメですというのは一貫性がない
ですね。もともとぐるっとパスには入りたくないと
いうのが本音ではないですか。美術館の体質は
そう簡単には変わりません。

投稿: いづつや | 2009.10.16 10:34

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