« 皇室の名宝展 その二 待望の海北友松と芦雪の絵と対面! | トップページ | パリに咲いた古伊万里の華! »

2009.10.12

皇室の名宝展 その三 超絶技巧の工芸に釘付け!

Img_0001_2Img962_2


近世絵画に続いて目を楽しませてくれるのは明治以降に描かれた日本画や織物、金工、やきものなどの工芸作品。絵画は追っかけ作品が前回見逃した鏑木清方の‘讃春’のみだから、テンションの上がり具合は普通。

お気に入りの上村松園の‘雪月花’(拙ブログ7/9)、橋本雅邦の‘龍虎図’(08/9/7)、‘夏冬・春秋山水図’、川合玉堂の‘雨後’をみれれば十分満足する。で、工芸の名品の前に長くいた。とくに息を呑んでみたのは、

★川島甚兵衛(三代)の‘春郊鷹狩・秋庭観楓壁掛’(上の画像)
★川之辺一朝の‘菊蒔絵螺鈿棚’(真ん中)、‘石山寺蒔絵文台・硯箱’
★海野勝珉の‘蘭陵王置物’(下)、‘太平楽置物’(08/10/23
★石川光明の‘古代鷹狩’(08/9/7)
★旭玉山の‘宮女置物’
★並河靖之の‘七宝四季花鳥図花瓶’(08/9/7)、‘七宝舞楽図花活’
★濤川惣助の‘七宝月夜深林図額’

工芸は絵画と違って展示替えがないので、濤川惣助の七宝以外は前回みたのをよく覚えている。大きな綴織壁掛は見てて楽しくなる。まるで絵画をみているよう。これは左側の宮廷の年中行事、紅葉狩りの場面。日本版のゴブラン織といったところ。こういう見事な壁掛を見る機会は滅多にないので、画面の隅から隅までじっくりみた。

川之辺一朝の蒔絵螺鈿棚は本当にすばらしい。菊と小鳥の模様に使われた夜光貝が光にあたりうすピンクとうす緑に輝く様がえもいわれず美しい。また、湖面に広がる波を精緻に研出蒔絵で表現した‘石山寺蒔絵文台’も心を揺すぶる。

海野の代表作2点を見るのはともに3度目。‘蘭陵王’は03年の‘工芸の世紀展’(東芸大美)、‘太平楽’は昨年の‘帝室技芸員と1900年パリ万博’(三の丸尚蔵館)でも対面した。こんな小さいながらも重厚感のある置物は海野のような超絶技巧を持った彫金家にしかつくれない。まさに日本の宝である。一晩だけでいいから、家のリビングに置かせてくれないかな。

象牙の置物は‘古代鷹狩’を1年前に見たばかりだが、これの倍くらいの細工を施した‘宮女’は10年ぶりに見た。十二単の重なりや裾や袖が折れ曲がるところを細密に彫っていく技は半端ではない。ぐるぐるまわってやわらかい象牙の色を目に焼きつけた。

並河靖之の七宝の花瓶は人気が高く、大勢の人が取り囲んでいた。言葉が出ず、黒地の背景に浮き上がるうすピンクの桜と緑の紅葉をただ見つめるばかり。華やいだ気分になる並河の花瓶に対して、無線七宝を生み出した濤川の額は霞が漂う山水画をみているよう。対照的な七宝の名品を心ゆくまで楽しんだ。

|

« 皇室の名宝展 その二 待望の海北友松と芦雪の絵と対面! | トップページ | パリに咲いた古伊万里の華! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 皇室の名宝展 その三 超絶技巧の工芸に釘付け!:

« 皇室の名宝展 その二 待望の海北友松と芦雪の絵と対面! | トップページ | パリに咲いた古伊万里の華! »