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2009.10.08

プライス氏蔵のモザイク画を若冲の絵としてまだ展示するの?

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今回でている若冲の絵は大半が個人とお寺が所蔵しているもの。美術館蔵で多いのは京博の‘石燈籠図屏風’(9/29~10/18展示)など6点とMIHO MUSEUMの5点、あとは千葉市美、福岡市博などから1点づつ。おやっと思ったのは20点ちかくコレクションしている京都の細見美からは1点も出展されてないこと。MIHOと相性が悪い?

海外からの里帰りでは、お馴染みのプライスコレクションの‘鳥獣花木図屏風’(上の画像、右隻)が2・3・4期(9/29~11/8)に展示される。

このモザイク画をみるのはこれで4度目。昨年3月訪問したワシントン・フリーア美でもお目にかかった。若冲との付き合いは一生続けようと思っているが、この絵に対する鑑賞欲は3年前の‘若冲と江戸絵画展’(東博、拙ブログ06/7/7)でじっくりみて以来、急速に薄れ、はっきり言うとこれを若冲展に飾るのはふさわしくないとさえ思っている。今日はそのことについて少し。

この絵を若冲展で見たくない最大の理由はこれが動物や鳥や花を意匠、模様として画面を構成したものとしかみえないから。若冲は絵師であってデザイナーではない。今回展示されている絵を含めて、これまで多くの若冲作品を見てきたが、一点々若冲の絵心が伝わってきた。でも、この絵は若冲の表現したい心が全然感じられない。

同じ桝目描きの静岡県美蔵の‘樹花鳥獣図屏風’(06/8/2105/3/7)では、象や虎にしろ、また鳳凰や鶏にしろ、そのポーズや目の表情からは生き物としての生気が窺える。だから、全部を若冲が仕上げたのではないかもしれないが、これは若冲の手が入っていると思えるのである。若冲が好きな人で、二つの絵を経験された方なら10人いたら10人そういう気持ちを抱かれるはず。

難しいことでもなんでもない。ていねいにプライスさんの絵をみたら、この絵が子供が動物のアップリケやシールを貼ったみたいな稚拙な描写の連続であることはすぐわかる。そして、対象の輪郭がはっきりせず、色使いもゴチャゴチャしているのにも嫌気がさす。

例えば、真ん中は象の向かって左側に描かれている動物たちだが、丸い斑点のある豹の頭と胴体がなんともはっきりせず、その隣で象のほうを向いている動物も一体どうなっているの?という感じ、とにかくわかりにくい。

下の左隻に描かれている鳥たちがこれに輪をかけて稚拙。鶏の前にいる黒い鳥の足を見るとまったく嫌になる。首のうす青は背景の池の水の青とかぶって、首なし鳥になっているのはもう最悪!その前にいる鳥だって、体の輪郭がわかりゃしない。花や生き物の神気をつかもうと観察に観察を重ねて、どんな細かい線やどんな小さな点にも精魂をかたむけて描いた若冲がこんな下手くそな絵を描くはずがない。

現在、東博の‘皇室の名宝展’に30幅全部飾られている‘動植綵絵’は3年前修復が完了し綺麗になったし、昨年には幻の絵‘象と鯨図屏風’が発見され、今、お披露目されている。モザイク画については、プライスさんの絵を展示するのはもうやめて、静岡県美のものに切り替えるべきではないか!

考えてみれば専門家というのは不思議な行動をする。あるときは‘これは若冲のほかの絵の描き方からして、若冲の絵に間違いない!’と自信満々に問題の絵を鑑定するのに、一般の美術好きが素直にみて若冲の技と心が伝わってこないこのモザイク画に関してだけは‘研究者の間でも見方が分かれている’とお茶を濁す。

多くの若冲愛好家は静岡県美の‘樹花鳥獣図屏風’と‘象と鯨図屏風’の組み合わせのほうが若冲ワンダーランドをより楽しめると思っているのではないだろうか。

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