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2009.09.13

蔦の細道図比較! 芦舟 vs 光琳 vs 抱一

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東博本館2階の‘屏風と襖絵’コーナーに今、深江芦舟の‘蔦の細道図屏風’(重文)が展示されている(10/4まで)。で、これと関連する絵も併せて紹介したい。

★芦舟の‘蔦の細道図屏風’:東博(上の画像)
★光琳の‘蔦の細道図団扇’:ワシントン、フリア美(真ん中)
★抱一の‘宇津山図屏風’:米国、ファインバーグ・コレクション(下)
 
芦舟(1699~1757)は‘吉野山図屏風’で有名な渡邊始興(1683~1755)と同時代を生きた琳派の絵師。芦舟が亡くなって4年後の1761年に抱一が生まれている。‘蔦の細道図’は人気の高い絵なので1年半から2年くらいのサイクルで登場する。

岩山の描き方は師匠の光琳(1658~1716)の‘つつじ図’(拙ブログ06/6/15)を彷彿とさせ、その岩や樹皮にみられる巧みなたらしこみ技法や装飾的に表された朱色の蔦に惹きこまれる。場面は‘伊勢物語’(九段)の駿河の国に入った業平が名高い宇津山にさしかかっているところ。

山道は蔦や楓が繁る暗い細道。‘えらい所に来ちゃったな!無事に峠を越せるだろうか?’と不安になってきた業平は落ち込み気味。そんなとき顔見知りの修行僧にばったり出会った。‘いいとこでお会いしました。これでちょっと元気がでます。勝手なお願いで申し訳ないのですが、京へ文を届けていただけませんか。今すぐしたためますから’とのべる。

京にいる思い人への歌は、‘駿河なる宇津の山辺のうつつにも夢にも人にあはぬなりけり’ (駿河にある宇津の山辺で現実にも夢にもあなたには逢わないことですよ)。

画面の中央にいるのが業平。では、修行僧はどこにいるの?ぱっとみると何処にいるかわからない。この絵の物語を知らない人は僧に気づかないまま、次の絵へ向かうのではなかろうか。僧が描かれているのは業平のちょうど左斜め上で、岩と岩がぶつかるところにできた逆三角形の左辺に荷物を背中に担ぐ後姿がみえる。

芦舟の絵に較べると、光琳と抱一の絵はわかりやすい構成。光琳は僧、業平、従者の3人をS字の道にうまく配置している。これに対し、抱一は細くなる道の前で歌を詠む業平と僧を向かい合わせに描いている。この屏風は昨年あった‘大琳派展’に展示されたから、覚えておられる方も多いはず。抱一にはもう一点、掛け軸の宇津山図(山種美)がある。

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