高橋誠一郎浮世絵コレクションは噂通りすばらしかった!
三井記念美で開幕を心待ちにしていた‘高橋誠一郎浮世絵コレクション名品展’(9/19~11/23)を見てきた。
摺りのコンディションのいい名品300点がスッキリ展示で楽しめる。会期は3つに分けられ、100点くらいの作品は全部入れ替わる。前期:9/19~10/12、中期:10/14~11/1、後期:11/3~11/23。料金は1200円だが、半券を提示すれば200円割引になる。
高橋コレクションは浮世絵本でその存在を知っていたが、すばらしい絵が目の前にぞくぞく現れる。上は追っかけていた菱川師宣の‘衝立のかげ’。これは揃いものの枕絵のひとつ。中期にもうひとつの‘低唱の後’がでてくる。
画面中央に大きく描かれた男女の衣装の文様が目を惹く。瓢箪みたいな‘立湧’、庭のむこうを流れる小川に呼応するかのような‘立波’。入ってすぐにお目当ての絵があったからテンションが一気にあがった。
そのあとにご機嫌な春信がずらずらとある。これはたまらない。会期中に春信は27点でてくる。このうち前期は9点。これほど質の高い春信だったとは!7年前あった回顧展になかったものがいくつもあるので、夢中になってみた。真ん中は名品中の名品‘風流四季哥仙 二月 水辺梅’。これを回顧展でみたときの感激は半端ではなかった。
背景の墨の地潰しが心を揺すぶる。若い女が石灯籠に肘をつき‘白梅が綺麗だこと!’というと、若衆は恋人のために朱の垣根にのぼり、枝を折ろうとする。久し振りに息を呑んでみていた。ほかにも母子絵のいいのがある。‘廊下相撲’、‘宮参り’、‘子供の遊び 影絵’。
重点鑑賞絵師、歌麿も多く、全部で27点ある。前期は下の‘伝兵衛女房おしゅんが相’、‘高島おひさ’、‘当時全盛美人揃 扇屋内花’など9点。手元にある歌麿本に載ってないものでとくに惹かれたのが‘おしゅんが相’。この女の目は歌麿が描くいつもの女に較べ明らかにちょっと大きいので、親近感がわく。
ビッグネーム絵師はまだいる。写楽の摺りのいい大首絵、国芳の雪景色にとても魅了される‘高祖御一代略図 佐州塚原雪中’、初見で大満足の清長の大きな絵‘雪のあした’、そして浮世絵展の定番、北斎の‘冨嶽三十六景’や広重の‘東海道五十三次’、‘名所江戸百景’。
楽しみの尽きないコレクションに興奮しっぱなしだった。もう2回楽しめると思うと嬉しくてたまらない。
| 固定リンク
コメント