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2009.09.20

ウィーン世紀末展のクリムト、シーレにのめりこんだ!

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日本橋高島屋で今開かれている‘クリムト、シーレ ウィーン世紀末展’(9/16~
10/12)を楽しんだ。でも、中にいたのは30分。はじめからこの展覧会はクリムトの追っかけ作品をみるのとシーレのヴァリエーションを増やすの狙いだから、このくらいで十分いい気持になる。

クリムトは8点で、シーレは19点。今回の作品は全部ウィーン・ミュージアム(旧ウィーン市立歴史博物館)が所蔵するもの。チラシをみて嬉しかったのはまだ見てないクリムトの初期の作品が入っていたこと。掛け軸のような画面の上に美しい女性やグロテスクな顔の老婆などが幽霊のように描かれている愛’とイソップ物語の‘ライオンとネズミ’を絵にした‘寓話’。

図版ではよく眺めていたが、実際に絵の前に立って見ると‘寓話’がわりと大きな絵であることがわかった。目が向かうのは左で眠っているライオンではなく、中央の暗い背景に浮かびあがる裸婦の白い肌。同じように真っ白なネズミが枝の上におり、裸婦の隣で鶴がカエルを口ばしに食わえている。そして横の狐が手にしているガラスの瓶にもカエル。クリムトの描写力は抜群だから、古典絵画をみているよう。そして、裸の男の体が彫刻的に描かれている‘牧歌’が展示されていたのは嬉しいオマケ。

上はメインディッシュの‘パラス・アテナ’。これはクリムトの黄金様式の定番。有難いことに何度も長期出張してくれる。たしか今回で3度目の公開。拙ブログ05/7/12でも取り上げた。兜の真ん中と鼻のところに光があたりゴールドが一段と輝いているのが実に印象的!官能的なパラス・アテナは刺激がいっぱい。胸当の舌をぺろっとだしているゴルゴンにはすぐ目がいくが、左腕にとまっているフクロウはバックが暗いのでぼやっとしていると見逃す。

シーレの絵も収獲あり。真ん中の再会した‘自画像’は気どったポーズで明るい雰囲気の‘ほおずきの実のある自画像’(6/9)と較べると自閉的で無感覚な感じが漂っているが、絵にはとても力がある。角ばった直線による筆致、亡くなったマイケル・ジャクソンを連想させる白い顔、2本の指をくっつけて三角の空間をつくる手の表情が目にしっかり焼きつけられる。

初見の‘イーダ・レスター’(下)は小さな絵だが、すごく魅了された。ここでもシーレは自画像と同様に背景を白にし、それと同じ白で顔を描いている。水彩にもいいのがあった。茶色の包装紙に白で輪郭を太く縁どって描かれた‘意地悪女’。その表情には女性の内面が強く現われている。また、エロティシズムの美しさをカリカチュア的に表現した‘裸の少女’にも足がとまった。シーレの絵で惹きつけられるのはこういうストレートな生感覚。

お目当てのクリムトとシーレが期待に応えてくれたので満足度は高い。ウィーンに出かけなくて二人の代表作がみれるのだから、本当に幸せ。ほかの画家では、また登場したココシュカの‘夢見る少年たち’、モーザーのポスターや‘麦わら帽子の娘’、オッペンハイマーの‘エゴン・シーレ’、シェーンベルクの‘自画像’の前に長くいた。

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