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2009.09.23

日本民藝館の柳宗悦の世界展

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定期的に足を運んでいる日本民藝館では、現在‘柳宗悦の世界展’(9/8~11/19)が行われている。今年は柳宗悦の生誕120年にあたる。これを記念した特別展だから、日用品の美を生涯追い求めた柳が朝鮮や日本各地で集めた絵画や民藝(民衆的工芸)が目いっぱい展示されている。

のびやかで素朴な味が存分にでた陶磁器やなにげない形や意匠が心に響く木工、色の鮮やかな沖縄の着物、ユーモアたっぷりの大津絵や朝鮮の民画などを心ゆくまで楽しんだ。そのなかから過去に取り上げてないものをいくつか紹介したい。

★李朝民画 蓮華図(上の画像)
★大津絵 鬼の行水(真ん中)
★棟方志功の観音経曼茶羅・夜叉の柵(下)

朝鮮時代(18~19世紀)の民画がここには沢山ある。今回は中国の瀟湘八景図にならった‘洞庭秋月’と‘平沙落雁’の山水図2幅と‘蓮華図’、‘蓮池飛鶴図’がでている。‘蓮華図’は緑の葉の上に見事に咲いたうすピンクの花弁が目に心地いい。

ゆるキャラの元祖といってもいい大津絵も人気の絵が登場している。‘鬼の行水’は体の赤い鬼が湯桶に入ろうとしているのは見ればわかる。じゃあー、上にあるのは何?これがわかりにくい。黄色のは鬼が脱いだ虎皮の褌。これが雲にまきついているのである。

はじめてこれを見たとき、オタマジャクシのお化けかフクロウが空を飛んでいるのかと思った。どうでもいいことだが、湯からあがったとき、また雲が虎の褌をひゅーっともってきてくれるのだろうか?

柳宗悦を人生の師として尊敬していた棟方志功が描いた‘観音経曼茶羅’は3点飾ってある。お気に入りは動感描写がすばらしい‘夜叉’。カーラチャクラよりは少ないが、顔が3つ、手が5本ある。また、代表作‘華狩頌’も楽しんだ。

柳宗悦との出会いについてすこしばかり。20数年前、宗悦のつくった心偈(こころうた)を知った。これは31文字の短歌や17文字の俳句より短くして、6、7字から多くても10字くらいの句に折々の心境を託したもの。そのなかに美術鑑賞に役立つものを見つけた。‘見テ 知リソ 知リテ ナ見ソ’ (先ず見よ、かくて知れ、知ってから見るな)。

ここで‘見’は直観の意味で、‘知’は概念のこと。柳は‘まず直観を働かせて得たものを、後から概念で整理せよ。これを逆にして概念から直観を得ようとしても無駄。知ってから見ると、見方は知に邪魔されて、純に見れなくなる’と言っている。

以来、美術品を鑑賞するときはこの心偈を言い聞かせている。余分な情報や美術史家の解説文は頭のなかに入れないで、いつも白紙の状態で作品と接する。画家のモノグラフは本物を7割みるまでは読まない。これから先もこの精神で展覧会へでかけたい。

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