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2009.09.11

東博平常展の名品! 中国漆工・鈴木長吉

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東博本館の14室(1階)で行われている特集陳列‘中国漆工’(8/25~10/18)を見た。中国の漆器にとくべつ深い関心があるというのではなく、お目当ては上の‘龍濤螺鈿稜花盆’(重文、元時代・14世紀)一点のみ。

昨年、‘東博 東洋美術100選’が出版され、この龍の螺鈿が表紙に使われている。螺鈿はこれまで結構みているが、この龍のうすピンクや緑の煌めきは図版をみているだけでも魅了される。で、鑑賞の機会をじっと待っていたら、割り方早く実現した。

五本の爪をもつ龍は皇帝の象徴。背びれや炎のうすピンクがなんとも美しく、八稜花の器形にあわせてまがりくねった胴体のうろこにはうす緑の螺鈿がキラキラ輝いている。また、下部にみられる細かい貝片を使って表現された渦巻きや波濤の細い線にも釘づけになる。台北の故宮博物院で名品をみている気分。日本にもこんなすばらしい中国の螺鈿装飾があるのだから嬉しくなる。

1階19室の‘帝室技芸員’(9/8~12/6)にも名品が展示してある。真ん中は鈴木長吉作、‘鷲置物’(重文)。この見事な鋳金の置物をはじめて見たのは6年前、東芸大美であった‘工芸の世紀展’。そして、1年後だったか?東近美工芸館で‘十二の鷹’を見た。

こういう鷲や鷹の置物は木彫りにしろ鋳造にしろ、旅行先のお土産屋とか博物館でみかけるから、目が慣れ‘ああー、鷲の置物がある’といった感じでさらっと見ることが多い。でも、長吉の鷲や鷹はそんじょそこらの置物とは作品の出来が違う。この鷲は目が鋭く羽根一枚々が精緻に表現されているので、本物かと見紛うほどである。

シカゴ万博(明治26年、1893)でこれを見た外国人は日本人の高い鋳造技術と豊かな表現力にびっくりしたことだろう。東近美の‘十二の鷹’がまた見たくなった。

同じく長吉の‘岩上ノ虎置物’(下)は1ヶ月前、近代日本画の部屋に飾ってあった。これは‘鷲’から6年後の作品。岩の上と穴のなかに虎を2頭配するのは置物としては凝りすぎており、完璧に芸術作品の領域。

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