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2009.08.08

西洋画・日本画比較シリーズ! ティントレット vs 北野天神縁起絵巻

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4ヶ月半の宇宙ステーション滞在から地球に帰還した宇宙飛行士若田さんの体調は過去の宇宙飛行士に比べると驚異的にいいそうだ。これは無重力により筋力が低下するのを防ぐため、ステーション内にあるトレーニング器具を使って体を動かしていた効果によるものらしい。

3倍の負荷をかけられる特別仕様のマシンは日本製。そして、トレーニングの都度、筋力などのデータを日本でサポートしている医師たちが分析し、その変化具合に応じて運動量を調節していたという。われわれはステーション内で若田さんがでんぐり返ったりするのを‘ふわふわと気持ち良さそうだね’と気軽に見ていたが、若田さんは無重力の影響をすこしでも少なくしようと、せっせとマシンを使ってキツ目のトレーニングをしていたのである。

つかみが若田さんの話なのは、本日取り上げる絵に宇宙遊泳がでてくるから。
★ティントレットの‘奴隷を救う聖マルコ’:ヴェネティア・アカデミア美(上の画像)
★ティントレットの‘天の川の起源’:ロンドン・ナショナル・ギャラリー(真ん中)
★北野天神縁起絵巻 承久本:京都・北野天満宮(下)

ティントレット(1518~1595)の絵には宙を舞う人物がよくでてくるが、その姿は宇宙遊泳を連想させる。拙ブログ05/8/608/2/3でも書いたように、この意表を突く視点から描かれた聖人や女神、童子には驚かされる。このアイデアをティントレットはどこから得たのだろうか?

短縮法はマンテーニャから学び、俯瞰は自分で思いついたのだろう。この俯瞰の構図というのは見る者は画面に描かれたところよりさらに上にいる感じだから、自分もなんだか宇宙遊泳しているような気分になる。絵のなかに入れるというのがとにかくいい。

日本画にも若田さんのでんぐり返りを思い起こさせるものがある。だが、こちらはかなりコミック的。国宝‘北野天神縁起絵巻 巻六’にその場面がでてくる。これは不運な死をとげた菅原道真が死後、雷神となって清涼殿に落雷を落とすところ。中央の迫力満点の鬼は黒雲にのって現われた眷属の火雷火気毒王(からいかきどくおう)。

くろぐろした雲と怒りの真っ赤な体に度肝をぬかれた殿上人は恐怖のあまりパニクりまくり。右では飛び散る火の粉に‘あれー、どうしよう’と足を上にあげてひっくり返り、左のうす青の衣装を着た男は宇宙遊泳状態。

ティントレットの絵もこの道真の祟りにおびえる絵も一生忘れることはないだろう。

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コメント

こんばんわ~♪
この比較がたまりません♪
私は北野天神縁起が大好きで、特に、このギョロ目の雷さんいいですよね~♪ そうか・・・こういう展開で比較してもいいんですよね。天使は羽で自力で空から降りてくるけど、雷さんは、孫悟空のように雲がないとだめなのかも♪
 いつもすごい新鮮な目論見ですねえ。
 あ・・トリノ見に行きますよ。私もツタンカーメンの石像の写真に一目ぼれしました♪

投稿: 乱読おばさん | 2009.08.18 22:20

to 乱読おばさん
北野天神縁起にでてくる雷さんは最高にいいですね。
私も大好きです。この比較を画像を一緒に並べて
みせたいと随分前から思っていたのですがようやく
アップできました。

西洋画も日本画も沢山みておられる乱読おばさんに
楽しんでいただいて、これほど嬉しいことはありま
せん。ツタンカーメン像をどうかエンジョイなさって
下さい。

投稿: いづつや | 2009.08.18 23:54

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