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2009.08.24

感激の冨田渓仙展!

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大きなエビフライを食べたあと、水戸市のある茨城県近美をめざした。開催中の‘冨田渓仙展’(8/8~9/23)をみるためである。東関東自動車道と一般道を使い、約2時間かかった。

これまで冨田渓仙(1879~1936)の絵を取り上げたのは‘祇園夜桜’(拙ブログ5/5、本展で8/30まで展示)のみだが、ほかにもいい絵がいくつもある。今回はそうした代表作を120点集めたすばらしい回顧展!

前期(8/3~8/30)と後期(9/1~9/23)で作品がかなり入れ替わるが、後期にも見逃したくない作品が沢山あるから、2度通いになる。隣の方もまた同乗するという。それほど渓仙の絵は二人の心を打った。

渓仙の絵は風景、花鳥、人物、風俗、仏画と作域が広い。画風は時の経過とともに変わっていく。とくに惹きこまれているのは風景画や風俗画。上は茨城県近美が所蔵する‘長江鵜船’(1919、右隻)。4年前にはじめてこれをみたとき、大変感激した。

鵜飼というと、すぐ川合玉堂が描いた長良川の鵜飼を思い浮かべるが、これは中国の長江の鵜飼の情景。俯瞰の視点から鵜船をジグザグ的に縦に重ねていく構図が目を引く。漁師たちは白い水面に揺れる船を巧みに動かし、手飼いの鵜と一心同体になり、魚を獲っている。

川や海の水面の光景を描くのが渓仙は実に上手い!鵜の絵でもそうだが、真ん中の‘淀城’(1931、西宮市大谷記念美)、‘嵐峡雨罷図’(1932)、‘三条大橋’(1934)にみられる勢いのある水の流れやうねりを釘づけになってみた。‘淀城’(前期展示)は夢幻的な絵。淀川にはかつて城と大きな水車があったが、明治維新により無くなった。それを渓仙は絵の中で再現している。

前景の左右に大きな水車を配し、その向こうにお城を美しく描いている。直線的なフォルムが目に焼きつく城の白壁と水面の波の曲線、水車のまるい円を対照的にみせる構成が忘れられない。この絵はいつか見たいと願っていたから、感激もひとしお。

水の動感描写同様、心に響くのが鮮やかな青、緑、赤、金が乱舞する縦長の絵。その極め付きが下の‘蓬莱仙境図’(1921、京近美)、画面下から桜の赤、松の緑、そして真ん中から上部にみえる木々や山の濃い青や緑が目をクラクラさせる。ふと、シャガールの青や緑や赤をみているような気分になった。

これと同じ色調なのが‘蘭亭曲水’(1926)。この濃い青や緑に震えた最初の体験は島根県の安来市にある足立美術館で見た‘蓬莱佳境図’(1928)。またまた濁りのない強い青、緑、赤に痺れた。

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コメント

いづつや様のおっしゃる通り感激の冨田渓仙展でした。
私は後期も見てきます。
常設も良かったですよ。

投稿: meme | 2009.08.30 22:15

to memeさん
渓仙の絵は後年ますますよくなりますね。
大観は渓仙の力量を高く評価しています。

図録をみると、後期にも見逃せない絵が
いくつもありますから、9/5(土)にまた
クルマを走らせます。とても楽しみです。
memeさんは上野から電車でしょうか?

投稿: いづつや | 2009.08.31 11:42

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