トリノ・エジプト展の美しいツタンカーメン像に釘付け!
東京都美で昨日からはじまった‘トリノ・エジプト展’(10/4まで)を早速みてきた。海のエジプト展(拙ブログ7/2)を体験し、NHKの‘エジプト発掘’が1回、2回ともおもしろかったので、トリノ博物館が所蔵する彫像への関心は高い。
でも、半年前はこの展覧会に対する期待はさほどでもなかった。エジプト旅行をしたし、大英博物館とカイロの考古学博物館で巨大な彫刻などをみているから、最初はパスの気分だった。だが、チラシに載っている‘イビの石製人型棺の蓋’(真ん中の画像、BC7世紀頃)のフォルムが気になってしょうがない。とくに惹きつけられるのが緩やかな曲面で表現されている長い鬘にみられるきれいな髪の線。
さらに開幕1ヶ月前?になって、上の‘アメン神とツタンカーメン王の像’(BC14~13世紀頃)の展示が決まり、NEWチラシの表はこの彫像になった。これがまた見たくなるような美しい形をしている。ツタンカーメンは黄金のマスクやアンケセナーメンと一緒に描かれた玉座のほかに立像があったとは!こうなると、初日に見たいという気持ちを抑えることはできない。
今回は展示の方法がとても上手。トリノ博物館ではメイン展示である大型彫像は照明を少し暗くし、さらに所々に鏡を置くなどして、作品をより印象的にみせる演出がなされているようで、この方法がここでも採用されている。このようにピンスポット的に光が当たると彫像がいっそう神々しくみえてくる。息を呑んでじっくりみたのはお目当ての2つとツタンカーメンの立像同様、石灰岩でつくられた‘プタハ神座像’、ライオンの頭が強いインパクトをもつ‘セクトメ女神座像’。
いずれも見事な彫像なので、大きな満足が得られた。目玉の‘アメン神とツタンカーメン王の像’でおもしろかったのはひとまわり小さいツタンカーメンの右手が横の石を突き破りアメン王の肩をさわっているところ。‘ええー、こんな手の出方あり?’って感じ。トリノ博物館一番のお宝を現地でなく東京で見れたのは一生の思い出になる。
あとはステラ(石碑)の人物レリーフや古代文字ヒエログリフ、死者の書、彩色木棺、ハヤブサ、トキ、ジャッカルの木製小像、金の首飾り、目の覚めるような青の地にロータス文様が描かれたファイアンス製容器(下)などを軽くみてまわった。
帰り際、上機嫌になっていたので出口で販売していたトリノ名物、グイド・ゴビーノ社のチョコレートの詰め合わせを買うはめに。トリノは一度行ったことがあるが、そのときは名所観光が目的ではなかったからチョコレートに縁がなかった。週末はスウィーツ解禁だから、このコラボ企画につい乗ってしまった。
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コメント
こんばんは。
エジプトネタが続いていたので
この展覧会はどうご覧になるのか
感想楽しみにしていました!
大満足でしたね。
投稿: Tak | 2009.08.04 23:20
to Takさん
アメン神とツタンカーメンの立像がトリノ博物館の
お宝なのでしょうね。これを追加してくれたのは
大ヒットです。
次は念願のネフェルティティです。ベルリンへは
1年半後くらいに行く予定です。
投稿: いづつや | 2009.08.05 10:31
ネフェルティティと聞くと、すぐにマイルスのアルバムを
思い出します。
ウェイン・ショーターの曲だったかしら。
エジプトの呪術とショーターのサックス音が重なって
きます。
投稿: 一村雨 | 2009.08.06 22:15
to 一村雨さん
ウエイン・ショーターの大ファンなのですが、
一村雨さんも同志ですか。これは心強い。
次の飲み会ではジャズの話で盛りあがりまし
ょう。
ネフェルティティの名前をおぼえたのは美術本
よりマイルスのアルバムのほうが早かったです。
投稿: いづつや | 2009.08.07 14:47
今日(8月8日)いくことが出来ましたが、列が長い割りに会場内は混んでおらずゆっくり鑑賞できました。
投稿: 星の王子様 | 2009.08.08 13:22
to 星の王子様さん
トリノ博物館にもすばらしい彫像があるの
ですね。館自慢のお宝が見れるのですから
本当に有難いです。
投稿: いづつや | 2009.08.08 23:23