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2009.08.28

東博平常展の名品! 近江八景・一字金輪像・馬蝗絆

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東博が所蔵する近代日本画はサイズが東近美にあるものよりひとまわり大きい。今、展示されている今村紫紅の‘近江八景’(上の画像)は縦1.65m、横0.56mの大きな軸が八幅並んでいる。ぞっこん惚れているこの絵は‘熱国之巻’同様、重文。前回見たのは4,5年前だから、久し振りの鑑賞である。

4幅は左から海の青と白い雲が印象深い‘比良’、橋を斜めに描く構成に魅せられる‘瀬田’、緑の木々が目に焼きつく‘粟津’、そして‘唐崎’。縦長の軸に描かれた風景画だけど窮屈さを全然感じないのは、対象が下から上にむかってのびやかに配置され、その淡くぼかした彩色と明るい色彩の組み合わせがとても上手いので、横へのイメージが自然に広がるから。見事な近江八景をみれて幸せな気分になった。

元祖八景ともいうべき‘瀟湘八景’もある。これは橋本雅邦の作で2年ぶりの登場。雪舟の筆使いを彷彿とさせる岩や木々の描写にぐっときた。

心が安まる風景画に交じって飾ってある河鍋暁斎の大作‘地獄極楽図’(拙ブログ05/6/18)にも当然足がとまる。4年前この絵の前に立ったときは、鬼たちがおこなう残酷な刑罰執行に体を硬直させられっぱなし。今回は二度目だから大きくたじろぎはしないが、それでも画面を細部にわたってみているとだんだん緊張してきた。それにしても、暁斎の想像力、描写力はすごい!この部屋の日本画の展示は7/28~9/6。

浮世絵を見たあと、すぐ前の部屋で行われている‘特別陳列・親と子のギャラリー、日本美術のつくり方’に寄ってみた。興味深く見たのが‘裏彩色’(うらざいしき)の技法。今年の1~3月にも1階20室で技法とその効果をみせていたが、再度仏画‘一字金輪像’(真ん中)を例にしてつくった制作工程模型でじっくりみた。

表だけの彩色、金箔や白の裏彩色、両方の彩色の3つが並べてあるので、裏彩色により体に立体感がでたり、表の色がはっきりしたりするのがよくわかる。これをすぐ‘仏教の美術’コーナーで展示中(7/28~9/6)の本物で確認した。裏彩色のほかに‘色絵の皿’、‘仏像’、‘刀の鍔’、‘浮世絵’のつくり方がある。

表慶館のアジアギャラリーで展示されている中国陶磁の記事を書いたとき、ゲストの法師さんから‘青磁茶碗 銘馬蝗絆(ばこうはん)’(重文)が‘茶の美術’の部屋にでている(7/22~9/13)ことを教えてもらった。この砧青磁は何度みても心に響く。

銘のエピソードがおもしろい。足利義政がヒビ割れた茶碗をとりかえてくれないかと中国に送ったら、代理品はもうないので鉄の鎹(かすがい)を打って送り返してきた。その鎹とヒビ割れの景色を馬の毛にとまる蝗(いなご)に見立てて、‘馬蝗絆’と名付けられたという。

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