民主党大勝 政権交代!
昨日行われた総選挙で、民主党は308議席を獲得し、悲願の政権交代を実現した。新聞各社が事前に実施した予想ではいずれも民主党の議席は300を上回っていたが、その通りの結果となった。自民党は公示前300あった議席が119に激減する歴史的な惨敗。
政権が交代するのは先進国では当たり前。これで3流の政治がすこしはましになり、2流の政治へとステップアップすればいいのだが。
政権交代という政治制度においてはエポック的なことが起きたので、これが日本国の長い歴史のなかでどんな意味をもつのかをみてみたい。といっても、難しいことを述べようというのではなく、日本人なら誰でも知っている時代や政治体制が大きく変わった歴史的な‘戦い’や‘政変’がどのように絵画化されているかをみるだけ。こういう絵をみると、今また歴史が動いたということをより強く認識するかもしれない。
★安野光雅の‘絵本平家物語・壇浦合戦’(上の画像)
★歌川国芳の‘大物之浦平家の亡霊’(真ん中)
★邨田丹陵の‘大政奉還’(下)
源平合戦は絵巻や屏風などに描かれているが、展覧会で本物をみる機会はそうない。美術本に載っている永青文庫が所蔵する六曲一双の屏風は残念ながらまだお目にかかってない。安野光雅が講談社から出版した‘絵本平家物語’(1996)は3年前、日本橋高島屋であった回顧展でみた。
ご存じのように奢る平家は1185年、壇ノ浦の戦いに敗れて滅亡した。白旗を軍船
3000艘にはためかして戦った源氏を率いたのが源義経。潮の流れが自軍に有利になったのに乗じて反転攻勢をかけ赤旗の平家船1000艘を海に沈めた。だが、源氏の勝利におおいに貢献した義経なのに、頼朝から嫌われ追われる身になる。
そのため、義経一行は西国へ渡ろうと摂津国・大物浦(現在の尼崎市大物町にあった港)から出帆した。ところが、暴風雨に遭遇し、海底に沈んだ平家の怨霊が大波を起こし義経一行を襲ってくる。この場面を描いたのが国芳の絵。画面上部にみえる怨霊の異形のシルエットが戦いに敗れた恨みの深さを表わしている。船の後方で弁慶が必死に経文を唱えると、ようやくしずまったという。
大政奉還の絵は歴史本によく載っている。徳川15代将軍慶喜は慶応3年(1867)10月12日、在京の重臣を二条城に集めて、政権を天皇に奉還する決意を伝えた。ついに265年にわたる徳川幕府による政治体制が終った。
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