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2009.07.10

流石、東近美、すばらしいゴーギャン展!

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1年くらい前、ゴーギャンの最高傑作‘我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか’(上の画像)が日本にやってくるという情報に接したとき、‘そ、それはすごい!’と思った。でも、この絵は昨年ボストン美でじっくりみたばかりなので(拙ブログ08/4/23)、東近美の‘ゴーギャン展’(7/3~9/23)は会期の中ごろでかけてもいいかなという気持ちだった。

が、Takさんの内覧会の記事を読んで気が変わった。なんと見たかった絵がいくつも出てきたのである。‘ええー、こんないい絵が来ているの!?’ 先行開催した名古屋ボストン美に出品された作品をみると、‘我々は’の1点豪華主義的な回顧展のイメージだった。ボストン美は2度訪問し、確かに‘我々は’以外の絵の印象がうすいので、ボストン美からプラスαで4,5点もってきて、あとは日本にあるゴーギャンを集めたとしても、まあこんなものかなという気がしないでもなかった。

ところが、中に入ってみると海外の美術館からいい絵がいくつも集結していた。進んで行くうちに、‘流石、東近美!横浜美とは違う’と思った。4年前のビッグなゴッホ展に続き、今回また質の高いゴーギャン展を開催してくれた。印象派絵画の鑑賞をライフワークにしているから、こういう展覧会に遭遇すると腹の底から嬉しくなる。拍手々!日本の美術館には今回展示してある大原美の‘かぐわしき大地’(06/9/16)のように有名な絵があるから、海外の名画と一緒に並べられると立派なゴーギャン展になるのである。

目玉の‘我々は’が展示してある部屋はこの絵だけ。ひとつ手前の部屋でナレーションなしの映像を流しており、これをみるとこの絵が何を描こうとしたのか、描かれたモティーフはほかのどの絵からきているのかがわかるようになっている。そして、息を整えて横長の大作と対面する。

色彩で目に焼きつくのは、上部両隅の黄金のように輝く黄色、ミイラのような顔をした老婆の後ろにみえるうすピンクの三角形の色面、そして中央で横向きに座っている女の子が食べている果物の橙色。この橙色はこの子の近くにいる鳥のくちばしや羽根、また、左の赤子の隣にいる端正な顔立ちの女が髪の飾りにつけているもの(リボン?)でも輝いている。この絵はどこからみても西洋絵画史上の傑作!日本で見れるなんて夢のようである。

今回の出品作は油彩が25点、版画が23点(摺り方を変えているのがあるから実質
13点)、彫刻が1点。欧州やアメリカの美術館で開催されるゴーギャン展だったら、油彩25点は少ないかもしれないが、ここは日本。25点もよく揃ったというべきであろう。日本にある作品は‘かぐわしき大地’のほかはアベレージだが、海外からの出品はぐっとくるのがいくつもある。これは大収穫。

最も魅せられたのが真ん中の‘パレットをもつ自画像’(個人)。これは画集に載っている有名な絵。たぶん自画像に描かれたゴーギャンの顔としては一番ととのっているし、肖像画らしい絵。背景の赤と青の服の対比にとても惹きつけられる。本当にいい絵と出会った。

下は‘エ・ハレ・オエ・イ・ヒア(どこへ行くの?)’。これを所蔵しているのはシュトゥッガルト州立美。3年前、東京都美にやってきた‘果実を持つ女’(エルミタージュ美、06/11/3)と構成がそっくりだが、このタヒチの女のほうが強烈なインパクトをもっている。こういう大きな人物像をみると、ゴーギャンの絵をみたという気になる。

ほかで感激したのは昨年、テートギャラリーで見れなかった‘ファア・イヘイヘ(タヒチ牧歌)’と川のうす青の流れが目を楽しませてくれる‘洗濯する女たち、アルル’
(MoMA)。色の鮮やかさにクラクラするのが05年にあったプーシキン美展にもでていた‘浅瀬(逃走)’ これと再会できたのはラッキー。大満足のゴーギャン展だった。

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コメント

私も今日この展示を観てきました。かなり混んでいましたが、行った甲斐がありました。
元々、ゴーギャンはあまり好みではないのですが、「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」を含めて日本では中々観られない作品もあって満足です!

投稿: 21世紀のxxx者 | 2009.07.19 02:00

to 21世紀のxxx者さん
ゴーギャンはラファエロとアングルが好きなん
ですね。ですから、現地の女性そのままといった
絵と聖母子に見立てた綺麗な女性も登場させて
ます。

魔術的で怖いイメージと明るくて楽園的なイメ
ージが同居しているのはゴーギャンの心が昼と夜
で揺れ動いていることの表れではないでしょうか。

投稿: いづつや | 2009.07.19 18:19

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