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2009.07.24

洋画の女性肖像画はどれがお好き?

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My好きな女性画のファイルにせっせと貯めこんでいるのは浮世絵や近代日本画の美人画、西洋絵画における女性画だけというわけではなく、日本人洋画家が描いた女性の肖像画にもどっぷり首をつっこんでいる。

ただ、数は少なく、拙ブログで取り上げたのは黒田清輝の‘湖畔’(07/7/29)、‘読書’(3/29)、山下新太郎、中村つねの絵(07/7/30)など数点。もろろん、これだけではないので折をみて増やしていきたい。で、今日はお気に入りの絵をいくつか。

★山本芳翠の‘西洋婦人像’: 東芸大美(上の画像)
★藤島武二の‘黒扇’: ブリジストン美(真ん中)
★安井曾太郎の‘金蓉’: 東近美(下)

‘西洋婦人像’は現在、東芸大美のコレクション展(7/4~8/16)に展示されている。山本芳翠(1850~1906)の絵で知っているのはこの絵と‘浦島図’、‘裸婦’(ともに岐阜県美)だけ。でも、この3点を見るたびに山本芳翠という画家は本当にたいした画家だなと思う。

これらの絵を画家の名前を隠してフランス人やイタリア人に見せたら、10人が10人ヨーロッパの国の画家をイメージするだろう。それくらい芳翠の油絵はこなれた筆使いで描かれている。‘西洋婦人像’に描かれた女性のピンクの肌と輝く白のドレスみるとすぐ思い浮かべる絵がある。マネの‘プラム’(08/12/30)。とにかく、この絵の白のすばやい筆触はベラスケスやマネの絵を彷彿とさせる。

石橋財団は藤島武二(1867~1943)の名画を沢山所蔵している。八重洲のブリジストン美には代表作のひとつ‘黒扇’(重文)や風景画の‘東海旭日’などがあり、久留米の石橋美には‘天平の面影’(重文)や‘チョチャラ’といった女性画の傑作がある。

肖像画では目が一番大事といわれるが、この‘黒扇’の正面をみすえた美しい婦人の目には力がある。やさしくてなおかつ男性のような威厳のある眼差し。白のヴェールと黒の扇子のコントラストはマネの色彩表現と似ているが、マネの絵に登場する女性にはこれほどの内面の強さは感じられない。

安井曾太郎(1888~1955)の‘金蓉’は洋画のなかでは岸田劉生の‘麗子像’や青木繁の‘海の幸’とともに最も体に沁み込んでいる絵。これを美術の教科書ではじめて見たときは、‘日本の画家が中国の女性を描いたのか!’と思った。このモデルが日本人で金蓉はこの女性の愛称だったことを知ったのは大人になってから。日本人が描いた洋画で女の子の傑作が‘麗子像’なら、大人の女性を描いた傑作がこの‘金蓉’ではなかろうか。

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