永青文庫の唐三彩コレクションに感激!
永青文庫の夏季展‘白洲正子と細川護立’(6/27~9/13)に展示してある唐三彩をみるために、目白まで足をのばした。横浜から美術館を訪問するとき、東京・山手線方面で一番遠いのが永青文庫。
目白駅から新宿西口行きのバスに乗り、椿山荘前で下車。永青文庫までは歩いて5分くらい。夏ここへ来る時の注意事項をひとつ。館のまわりは見るからに蚊がいそうな感じだから、ぼやっとやわ肌をさらしていると痒い目にあうことになる。くれぐれも蚊に刺されないように!
今回のタイトルに特別関心があるわけではなく、出かけたのは上の‘唐三彩宝華文三足盤’(重文)と再会するため。はじめてこれを見たのは15年前、愛知県陶磁資料館で開催された大規模な東洋陶磁名品展。見込みの中央に施された宝相華文の美しさに感激したのをよく覚えている。
それ以来、唐三彩は中国美術展や東博の平常展などで見る機会があったものの、緑色と褐色の発色具合でこれと同じくらい惹きこまれたのは東博の‘三彩龍耳瓶’と先月、静嘉堂文庫で見た‘三彩貼花文壺’(ともに重文、拙ブログ6/4)くらいしかない。だから、唐時代(8世紀)にやかれた三彩の名品に会えるというのは特別な鑑賞機会なのである。
HPの情報は詳しくないので、三彩はこれだけと思っていたら、ほかに7点あった。しかも重文がもう1点、‘三彩蓮華文圏足盤’(真ん中)。これも大柄な蓮花文と蓮弁文が鮮やかな緑色と黄褐色で描かれている。二つの名品を前にだんだん気分が高揚してきた。白洲正子は‘二つなき唐三彩を今ここにしばし目を閉じ手に触れんとす’と詠んでいる。
収穫はまだある。下の‘三彩獅子’。明るい緑と白の対比が咆哮する獅子の姿を一層引き立てている。静嘉堂文庫でみたのは可愛らしいポーズをとる獅子の子だったが、ここのは迫力のある獰猛な獅子。やはり一流の目利きが集める美術品はレベルが高い。
定番の駱駝はないが、馬が二つ。これも松岡美にあるものと比べると、どうみてもワンランク上。たて髪や前髪が実にきれいに梳かれているだけでなく、馬具の垂飾りの緑の発色がとてもいい。細川護立の唐三彩コレクションがこれほどすばらしいものだったとは!一生の思い出になる。白洲正子も護立から古美術について最初に指南してもらったのはこの三彩だろう。
どうでもいいことだが、展示室に正子の若いころの写真があった。すごい美人!ダンディな白洲次郎と結ばれたことを即納得した。
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コメント
こんにちは。唐三彩の名品たち、素晴らしかったですね!
正子さんの和歌と共に楽しみました。
永青文庫を訪れると時間が止まっているかのような感覚に陥ります。
投稿: noel | 2009.07.27 08:07
to noelさん
重文の唐三彩が目的の1点買い展覧会だったの
ですが、プラスαが嬉しかったです。
これほど魅せられた三彩鑑賞は過去にありません。
驚きました。流石、細川コレクションです。
また、向付の記事ではお世話になりました。誤情報
が運よく訂正できました。感謝してます。
写楽展のコメントで書きましたが、URLに大文字が
が入っているためかわかりませんが、どうしてもTBが
飛びません。ですから、今回もTBできません。
投稿: いづつや | 2009.07.27 12:04