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2009.07.17

東博平常展の名画! 青邨・古径・紫紅

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現在、東博本館1階の近代美術のコーナーに展示してある日本画(7/26まで)はいい絵が揃っている。

★横山大観の‘無我’
★前田青邨の‘竹取物語’(上の画像)
★下村観山の‘鵜’
★小林古径の‘住吉詣’(真ん中)
★速水御舟の‘紙すき場’(拙ブログ05/1215
★安田靫彦の‘紫紅の像’
★今村紫紅の‘熱国之巻(夕之巻)’(下)

‘竹取物語’は2年ぶりの登場。青邨(1885~1977)は若い頃、靫彦(1884~
1978)や古径(1883~1957)とともに歴史画にとりくみ、傑作をいくつも描いている。ここには御輿を担いで強訴行動に突き進む比叡山の僧兵を撃退する平重盛を描いた‘御輿振’という絵巻があるが、どちらも人物描写にユーモラスなところがあって、‘信貴山縁起絵巻’とか‘伴大納言絵巻’を見るような楽しさがある。

この‘竹取物語’では画面には描かれてないが、左上空をかぐや姫が昇天しているのであろう。屋根の上に登り、その様子を大曲芸でもみるかのように指さしたり、口をあけて興奮状態で眺めている警護の者たちの表情やしぐさが迫真的であると同時にどこか可笑しい。

青邨の絵は東近美や山種美よりも東博のほうが多く所蔵しており、しかも、ほとんどが大作と長い絵巻ー‘維盛高野の巻’、‘朝鮮之巻’、‘切支丹と仏徒’、‘湯治場’、‘京名所八題’、‘お水取’、‘花売’、‘大同石仏’、‘唐獅子’。これらは1年半から2年のタクトで登場するから、3年通うと青邨の通になれることは請け合い。

古径の‘住吉詣’もちょうど2年前に展示された。朱の塀に囲まれた神社の前で縦長に広がる海の青のグラデーションが目にしみる。中央に浮かぶ2隻の小舟と深い青の間に白い羽根の鳥が1羽、舟のむこうに3羽が群れをなして飛んでいる。

見る度に惚れ直すのが紫紅(1880~1916)の‘熱国之巻’(重文)。‘朝之巻’と‘夕之巻’は交互にでてくる。昨年は‘朝之巻’だった。目に飛び込んでくるのが橙黄色の大地と家の屋根の朱色、濃い緑の林。明るい色彩と平板な形態で活気ある村の光景を表現しているだけでなく、絵巻らしく全体に細かい金箔を散らし装飾的に仕上げている。これは紫紅がインドのガンジス河岸の村落を旅したときのイメージをもとにして描かれた。近代日本画の傑作である。

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コメント

早稲田大学會津八一記念博物館の2F展示、「羅馬」(前田青邨)にも目を奪われて、お客さんもまばらなので、しばし独り占めしました。
この画家は虜になります。東博のももう一度観に行きます。

投稿: ミネラル | 2009.07.17 23:56

to ミネラルさん
‘羅馬’は大作ですから、見ごたえがありますね。
2,3年前みたとき、感激しました。
現在、東近美の平常展前期(8/9まで)に‘おぼこ’
がでてます。これもいい絵です。

投稿: いづつや | 2009.07.18 10:37

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