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2009.07.27

大徳寺真珠庵蔵の百鬼夜行絵巻をやっと見れた!

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千葉県の佐倉市にある国立歴史民俗博物館へ遠征し、開催中の‘百鬼夜行の世界展’(7/18~8/30)を見てきた。この博物館ははじめて。バスを下車してから入口まではすこし坂道になっているので、7、8分の歩きでも暑い日にはしんどい。

この展覧会にでている作品は8点しかないから、ほんの10分で見終わる。横浜からここに着くまで2時間。鑑賞時間はたったの10分。でもこの10分はすごく満足できる時間なのである。

大徳寺真珠庵の所蔵する‘百鬼夜行絵巻’(室町時代、重文、上と真ん中の画像)は長年追っかっけていた絵。ここ5年、京博の平常展で2回くらい見る機会があったのだが、他の展覧会との組み合わせで時期が合わずどうしても見れなかった。この絵巻が都心からはだいぶ離れているが佐倉までお出ましいただいたのだから、2時間かかっても万難を排して駆けつけねばならない。

ほかの7点と比べてみると色の鮮やかさやきびきびした描線が断然いい。上は筋肉盛り々の赤鬼が古い唐櫃をこじあけているところで、なかの妖怪たちがびっくりした顔をしている。鬼の目ん玉や筋肉の線、緑と青の腰布の襞に金泥が使われており、全身赤の奇怪な姿態を強く印象づけている。

真ん中はこれにつづく場面で、右には鍋を被った妖怪や頭上に鍋蓋をおいて走る赤鬼がみえ、その前を楽器の銅拍子を頭にのせた妖怪が巻物を広げて歩いている。妖怪たちの着ている衣装の黄色、緑、うすピンクがすごく鮮やかなので夢中になってみた。

妖怪の形ははっきりしないところがあるから、全体のフォルムがしっかりイメージできない。だから、細かくみるよりこの妖怪は何の古道具なのか?とか、どうして夜中に皆が集まりハイになって行進するのか?とかいろいろ想像してみるほうが楽しい。この絵巻は全期間の展示ではなく、前期(7/18~8/20)だけなので、お出かけになる方はお間違えないように。

下は兵庫県歴博蔵の‘百器夜行絵巻’(江戸時代)で薬研と箪笥の妖怪が描かれている。薬研(やげん)は薬種を細かくする金属製の器具のことで、細長い舟形をし中がV字型にくいこんでいる。舟を曳いている妖怪の体はぼこぼこしており、ゴーヤみたい。この絵を見ていて、広島でバーや飲み屋の集中する繁華街の一角、‘薬研堀’界猥を思い出した。

百鬼夜行絵巻と関連のある妖怪あるいは地獄系の絵の情報をひとつ。今、三井記念美で行われている‘道教の美術展’(7/11~9/6)に国宝の‘辟邪絵・鐘馗&天刑星’(奈良博蔵)が8/2まで展示されている。東京でこのすばらしい国宝が見られるのは幸運なこと。怖い絵に興味のある方はお見逃しなく!

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