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2009.07.08

自慢の名画をずらっと揃えた芸大美コレクション展!

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現在、東芸大美で開催中の‘コレクションの誕生、成長、変容’(7/4~8/16)には館自慢の名画が沢山でている。過去5年間に行なわれたコレクション展のなかでは一番いい。普段は作成しない図録まで用意しているのだから、気合が相当入っているのがわかる。これだけ内容の充実した展覧会なのに料金は500円。これは有難い。

HPに載っている出品リストで狙いをつけていた日本画を中心にしっかり見た。上はこの絵を見るために出かけたといっても過言でない若冲の‘鯉図’。これはいくつかある若冲の画集のどれにも載ってない。これまで見た2つの鯉の絵(プライスコレクションなど)は水墨画で体の一部が画面からはみ出すというように大胆な構図で描かれているのに対し、これは縦長の画面にぴちぴちとした鯉をうまくおさめた著色画。鯉の口の先に吐き出した泡が三つみえるのがとてもユーモラス。

ここには曾我蕭白のいい絵が2つあるが、今回ともに展示されている。真ん中の‘群仙図屏風’(左隻)とくずれた顔がなんとも不気味な‘柳下鬼女図屏風’。蕭白が描く鯉も元気がよく、視線はこの名古屋城の鯱鉾みたいな形をした鯉とその背中や腹に飛び散る水しぶきやまるで生き物のように荒れ狂う波頭に集中する。05年、京博であった蕭白展で見て以来の対面だったが、鯉と波にパワーをもらった感じ。

江戸時代に描かれた‘百鬼夜行絵巻’は佐倉市の国立歴博で7/18からはじまる展覧会のちょうどいい目慣らしになった。

明治以降の日本画も有名な絵がずらっと並んでいる。狩野芳崖の‘悲母観音’(拙ブログ08/9/6)、橋本雅邦の‘白雲紅樹’、川合玉堂の‘鵜飼’(5/20)。そして、女性を描いた絵では館自慢の3点、上村松園の‘序の舞’、鏑木清方の‘一葉’、そして長らく待っていた松岡映丘の‘伊香保の沼’(下)。

これまでみた松岡映丘の作品で最も魅せられたのがこの絵。足を沼のなかに入れ放心したように前方を眺めている女の存在感に強く惹かれる。映丘の次ぎのターゲットは姫路市美にある‘道成寺’。これも是非見たい。

西洋画コレクションに話題の絵があった。最近見つかった藤田嗣治の最初期の作品、‘婦人像’。和服姿の若い女性を描いたものだが、なかなかいい。見てもお楽しみ!日本人洋画家の描いた作品はお馴染みの名画。高橋由一の‘鮭’、山本芳翆の‘西洋婦人像’、黒田清輝の‘婦人像(厨房)、’浅井忠の‘収穫’、原田直次郎の‘靴屋の親爺’、和田英作の‘渡頭の夕暮’。

数は多くなくてもこれだけ質の高い絵があると満ち足りた気分になる。満足度200%のコレクション展だった。

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コメント

伊香保の沼は、女性の顔がアンバランスで
美人かどうか悩みました。
それにしても、力の入った素晴らしい展覧会でした。

投稿: 一村雨 | 2009.07.13 18:10

to 一村雨さん
今回お宝がどっとで出てきましたね。
すばらしいです。
伊香保の沼は気がふれたような女の顔に
惹かれてます。

投稿: いづつや | 2009.07.13 23:35

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8月16日までのこの展覧会は、日本画ファン、日本の西洋画ファンには絶対にお勧めである。日本画では、伊藤若冲、曽我蕭白、狩野芳崖、橋本雅邦、松岡映丘、上村松園、鏑木清方らの作品。それに百鬼夜行絵巻。西洋画では、藤田嗣治の新発見の和服姿の女性像に、青木繁、高...... [続きを読む]

受信: 2009.07.13 18:09

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