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2009.06.17

西洋画・日本画比較シリーズ! マグリット vs 応挙・北斎

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先ごろスタートさせた‘西洋画・日本画比較シリーズ!’でいつか取り上げようと思っていた絵が‘だまし絵展’(Bunkamura、6/13~8/16)に出品されていたので、今日はその話を。

★マグリットの‘白紙委任状’:ワシントンナショナルギャラリー(上の画像)
★円山応挙の‘龍門鯉図’:大乗寺(真ん中)
★葛飾北斎の‘鯉の滝登り’:大英博物館(下)

7点あるマグリット(1898~1967)の絵のうち、‘白紙委任状’と‘無謀な企て’(豊田市美)は7年前、ここで開催された‘マグリット展’にもでていた。この回顧展はマグリット作品の本家ともいうべきベルギー王立美などからいい絵を沢山集めてきた一級の展覧会だった。

‘白紙委任状’(1965)はTASCHENなどの美術本に必ず載っている有名な絵。これの別ヴァージョンを宮崎県美が所蔵しており、07年埼玉県近美であった‘シュルレアリスム展’(拙ブログ07/2/23)で見た。2つの絵はほとんど同じ構図で描かれているが、宮崎県美のものは馬の尻尾がみえ、馬の前にある木々の数が多い。

応挙(1733~1795)の鯉の絵(1789)とマグリットの絵との類似性を書いたのは
4年前(05/5/14)。この頃は画像は1点しか載せてなかったので、その似た雰囲気を充分伝えられなかったが、こうして2点を並べてみると応挙のシュールさがより引き立てられる。

‘白紙委任状’は見れば見るほど不思議な絵。馬上の女性の背中から腰のあたりに垂直に立っている木は馬の腹の手前にあるのに、上のほうを見ると馬のむこうにある太い幹の木のすぐ横をのびていく。これはエッシャーの塔の絵で、柱がねじれてつながっているのと同じ。この絵でハッとするのは馬の胴体が縦に切断されているところ。今ではだいぶ慣れたが、はじめてこれを見たときは暫く‘オイ、オイ、どうなってんだこの絵は!’と目がバタバタした。

この衝撃が体に染みついているので、応挙の鯉の滝登りに出会ったときは瞬時にこの絵を連想した。鯉の背に流れる塗り残しによって表現された滝の水が馬のカットされた部分とすぐ響き合ったのである。

北斎(1760~1849)の‘鯉の滝登り’(1833)は05年、東博であった‘北斎展’に登場した。すばらしい絵である。緩くカーブを描いて下に落ちる滝の水はうすべったいきし麺みたいで、二匹の鯉はそれに挟まれるように泳いでいる。この絵もマグリットの絵のようなシュール感覚があふれている。北斎にはほかにも似たような感じの鯉や亀の絵がある。

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コメント

マーグリットから応挙・浮世絵を連想する事はできませんでした。マーグリットはマーグリット、応挙・浮世絵は応挙・浮世絵としてたのしんでましたの。ほんと東西の画家の 凄さ を感じます。

ところで 貴グログで拝見する限り‘白紙委任状’は、宮崎県美に軍配を挙げたくなるBaroqueです。
(題名の意味をかってに解釈するとどうしても‘宮崎県美’になります。)
         *
私もブログを開設してます。
もう全く拙い文章で‘鯉の滝登り’ 
の 手拭い の紹介をしましたが、 
トラックバック ができない会社のブログです。 
よろしかったら
のぞいてみて下さいませ。


投稿: Baroque | 2009.06.18 20:48

 ↑  ‘6月14日 の ♪鯉の滝登り♪ ’ という ブログです。 

投稿: Baroque | 2009.06.18 20:54

to Baroqueさん
歌舞伎座の鯉の滝のぼりの手拭いはいいですね!
ぴちぴちして勢いがあります。きっと龍になる
のでしょう。

ヨーロッパでも日本でも、偉大な画家の想像力と
いうのは結構コラボしてますね。

投稿: いづつや | 2009.06.19 00:41

マグリット大好きです(><)
今やってるだまし絵展でもマグリットがあるそうで楽しみですが、本場ベルギー王立美の作品も観てみたいです。。。

投稿: 21世紀のxxx者 | 2009.06.19 02:13

ありがとうございます。

いづつや様 の
コメントがついた ♪手拭い♪ になりました。

現代の 手拭い職人さん の 
お仕事なのでしょうね。
鯉 が 心持ち ぴちぴち して来た様な
気がします。

投稿: Baroque | 2009.06.19 13:34

to 21世紀のxxx者さん
マグリットは誰もが知っているモティーフを意表を
つく形で組み合わせますから、いつもやられます。

Bunkamuraの7点はいいですよ。お楽しみ下さい。
また、ベルギー王立美へも、是非。とにかく沢山
ありますから、マグリット好きには天にも昇る
気持になります。

投稿: いづつや | 2009.06.19 22:57

to Baroqueさん
今回はBaroqueさんと‘鯉の滝登り’で不思議な
コラボが実現しましたね。おもしろいですね。
次は何でしょう?

投稿: いづつや | 2009.06.19 23:04

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