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2009.06.18

もう一度見たいベルギー王立美術館のマグリット!

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シュルレアリスム絵画を見るときはほかの絵と違って、心の中はかなりザワザワする。対象の不思議な組み合わせや想像力のキャパシティをはるかに超えたシュールな世界に思わずのめり込むというよりは、体も心もちょっと引き気味になることのほうが多い。

同じシュルレアリスムでも、ぬめっとしたところがあり緊張を強いられるダリの夢の世界に較べると、マグリットの絵は見慣れた現実の光景がベースになっているから、そのイリュージョンの中になんとか入っていけそうな気がする。と同時に、こんな不思議な構成やフォルムは並の才能ではとても創造できないことも思い知らされる。

Bunkamuraの‘だまし絵展’でマグリット(1898~1967)の世界に誘われたので、ベルギー王立美にある作品をまた見たくなった。05年に訪問した際の感想記では、‘エリプス’(拙ブログ05/4/25)のみだったから、まだあるお気に入りの絵を紹介したい。

★光の帝国(上の画像)
★アルンハイムの領土(真ん中)
★宝島(下)

マグリットが1952年から描きはじめた‘光の帝国’は全部で22点ある。これは1954年の作で、1961年に制作された別ヴァージョン(個人蔵)が02年の回顧展(Bunkamura)に出品された。王立美のは照明灯に照らされた建物のシルエットとそれが前の池に映り込むところが実に美しい。この絵はぱっと見ると不思議な感じがしない。日本の夕方でもこんな光景を体験することがある。

でも、建物のまわりの木々の暗さをみれば、この時間が陽が落ちる前ではないことがわかる。となると、この絵はどうなっているの?白い雲が沢山漂う空は昼で、下の風景は夜!じわりじわり、マグリットの意表を突く発想に心が揺り動かされる。こういうのは‘コロンブスの卵’で、説明されると‘なんだ、そうか!’となるが、数少ない人だけが思いつく。何事も最初に考えた者が一番エラくてすごい。

‘アルンハイムの領土’(1962)に表現されているダブルイメージはすぐわかる。三ヶ月の下の山の稜線が鷲の形をしている。が、その鷲の真下にある卵の読み方が難しい。これは何を意味しているのだろうか?岩になった鷲がこの卵を産んだのだろうが、これから卵をどうやって雛にするの?それともただ遠くで見守っているだけ。動物や人間が卵を持って行こうとしたら、岩から飛び出してくる?

下の‘宝島’(1962)に描かれている‘葉の鳥’もすんなりイメージできる。この絵はマグリットが思いついたメタモルフォーズ(変容)、つまり、ある物が別の物になることを表現している。マグリットは‘満開の花に少女を想像するとしたら、鳥を想像することも許されるだろう’という。ほかに葉がフクロウになった絵もある。

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