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2009.06.10

日本にあるクリムト・シーレの絵

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日本の美術館でクリムト、シーレの絵を所蔵しているのは2館。

★クリムトの‘人生は戦いなり(黄金の騎士)’:愛知県美(上の画像)
★クリムトの‘オイゲニア・プリマヴェージ’:豊田市美(真ん中)
★シーレの‘カール・グリュンヴァルトの肖像’:豊田市美(下)

‘黄金の騎士’(1903)は名古屋にいたとき、愛知県美に出かけたおり、よく見ていたので馴染み深い。これは04年東近美で開催された‘琳派展’でも展示された。クリムトの黄金様式は琳派の装飾的な黄金に直接影響されたのではないが、ウィーン世紀末の絵画や工芸がジャポニスムに大いに刺激されているから、琳派のDNAを海外の作品にも見たいという企画者の思いがわからなくもない。

シルエットに描かれた馬上の騎士は面あてで顔が見えず、右手に大きな剣をもっている。目を楽しませてくれるのは下の緑の草地に咲く白や黄色、赤の小さな花。ひまわりの絵や‘接吻’の花園同様、見てて気持ちがいい。

この絵が制作された前の年にクリムトは分離派館の壁に‘ベートーヴェン・フリーズ’を完成させている。部屋の左側にも黄金の甲胃の騎士が登場する。騎士の姿はたくましく、後ろにいる苦悩する弱い人間を助け彼らに幸せをもたらそうとする気概にあふれている。

真ん中の女性の絵はクリムト52歳のときの作。衣装全面に施された渦巻き、三角形、短冊などの模様の輪郭は少し緩いところもあるが、背景の黄色や紫や青緑、橙色の明るい色調に吸い込まれる。

これを見たのは1989年にあった池袋西武セゾン美の展覧会。当時はまだ豊田市美はできてなく、開設準備室蔵となっていた。現在、東京都美で開かれている‘日本の美術館名品展’(4/25~7/5)が開幕する前、秘かに期待していたのがこの絵。20年ぶりに再会したかったのだが、出品されたのはシーレの絵だった。

この絵のことは知らなかったので収穫のひとつではあるが、どちらを見たいかといえばクリムト。豊田市美としてはランキング1位の絵は出したくなかったのだろう。この名品展は記念展だというのにこういうのが多いから、期待したわりには感動が少なかった。これぞという目玉の絵がない展覧会というのはやはり印象がうすくなる。

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