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2009.06.28

クリムトの黄金様式に魅せられて!

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朝、日曜美術館で特集していた‘クリムト’を興味深く見た。寝坊して頭の15分をみなかったから、今なぜクリムト(1862~1918)の黄金様式を取り上げるのかわからずじまい。今年はオーストリアイヤーで、秋には日本橋高島屋で‘クリムト・シーレ、ウィーン世紀末展’(9/16~10/12)があるから、これを企画したのだろうか?

クリムトの代表作の多くに黄金がふんだんに使われている。黄金の兜がきらりと光る‘パラス・アテナ’(拙ブログ05/7/12)、平べったい黄金の衣装が装飾性に満ち溢れている‘接吻’(6/8)、そして次の3つ。

★アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ:NY、ノイエ・ギャラリー(上の画像)
★ユーディットⅠ:ベルヴェデーレ美(真ん中)
★ベートーベン・フリーズ:分離派館(下)

もとは‘接吻’とともにベルヴェデーレ美の目玉だった‘アデーレ’(1907)は06年、美術品史上最高額の156億円という値がつき、現在ノイエ・ギャラリーの所蔵となっている。今となっては03年ウィーンを訪問したとき、これを鑑賞できたので胸をなでおろしている。もし、どこかへ貸し出し中だったら悔いを残すところだった。

ところで、ノイエ・ギャラリーは誰でも入れる画廊?また、訪ねればクリムトの絵をいつでもみられるのだろうか?もしそうであれば来年のNY再訪の際、出かけてみたいのだが。事前に調べてみようと思う。

アデーレの背景や着ているドレスは目のような模様や渦巻きや四角の文様が繰り返され平面的に構成されている。装飾性を高めるとどうしてもフラットになる。でも、この絵を浮いた気分でみてないのは、この女性の目の大きな顔や手が写実的に描かれ、ちゃんと肖像画になっているから。

番組のなかで、オーストリア応用美術博物館の学芸員が日本の金屏風がクリムトの黄金様式に与えた影響とか、光琳の‘紅白梅図屏風’と‘アデーレ’や‘ダナエ’(06/11/5)の類似性を具体的に指摘していた。‘紅白梅図’(05/3/6)の真ん中に描かれている独特の曲線をもった‘光琳波’が確かにアデーレのドレスの膨らんだフォルム、またダナエの体の一部を隠している茶褐色の布と似ている!この関連性ははじめて聞いたが、なかなかおもしろい。

美術史家、馬渕明子氏が日本の着物や工芸に使われた文様がクリムトの作品のなかにいくつもでてくることをわかりやす例をあげて解説していた。これは15年前、東武美(今は無い)で開催された‘ウィーンのジャポニスム展’で一度理解していたから、すっと頭の中に入った。どうでもいいことだが、昔よく日曜美術館にゲスト出演されていた馬渕氏もだいぶお年をめされた感じ。が、相変わらず品のいい方である。

‘ユーディット’(1901)はわざとぼかして描いてある顔ばかりに目がいくが、見逃してならないのは右下にちらっと見えるホロフェルネスの首。貞淑なユーディットがクリムトの黄金様式にかかると、このように官能的なファム・ファタール(宿命の女)に変容する。

‘ベートーベン・フリーズ’(1902)はコの字型の最後の場面で、‘第9’の第4楽章を表す‘幸福への憧れ’が描かれている。耳をすますと館内のどこからともなく‘歓喜の歌’の大合唱が聴こえてくる。

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コメント

こんにちは。ノイエ・ギャラリーは誰でも入れます。入場料は15ドル、1階がカフェ、2・3階が展示室です。私は一昨年行きましたが、3階が改装中につき無料でアデーレを拝見しました。シーレもありました。
メトロポリタンの近くですし、カフェは素晴らしい雰囲気でコーヒーも最高です。一度はオススメします。

投稿: masa | 2009.06.29 22:48

to masaさん
ノイエ・ギャラリーはメトロポリタンの近くに
あるのですか!それは好都合です。有難い情報を
いただきまして、感謝々です。NYでの楽しみが
ひとつ増えました。本当に有難うございました。

投稿: いづつや | 2009.06.29 23:27

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受信: 2009.06.29 12:11

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