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2009.06.02

もう一度見たいエルミタージュ美術館のバロック絵画!

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エルミタージュ美訪問(拙ブログ05/9/6)の感動が予想以上に大きかったので、帰国してから美術が好きな人に‘エルミタージュはすばらしいよ!’を連発していた。

ルーヴルにはダ・ヴィンチはあってもゴーギャンやマティスの絵はないが、ここにはダ・ヴィンチ(2点)、ラファエロ(2点)、ミケランジェロの彫刻‘うずくまる少年’と盛期ルネサンスの巨匠の作品が揃っているほか、質の高いレンブラント、カラヴァッジョらのバロック絵画、昨日取り上げた近代の印象派、有名なマティスコレクション、さらに抽象画のカンディンスキーまである。

そうした名画の数々を4時間かけて存分に楽しんだ。ツアーの行程ではここにいるのは1時間半くらいだったのだが、ほかの名所観光をパスしてずっと館内にいたのである。

エルミタージュ美にあこがれるようになったのはその2年くらい前、NHKで放送された‘エルミタージュ美’(10回シリーズ)を見たため。これは作家の五木寛之と美術史家の千足伸行氏がゲストを交えて所蔵作品を案内してくれる極上の美術番組で、毎回ビデオ収録していた。で、出発前このビデオを見て、必見作品を入念にシミュレーションしておいた。

この事前準備の効果はすぐあらわれ、展示してある作品にスムーズに入っていけた。あれほどの数の作品だから、ほわーっとした感じで回っていたら、感動の名画の多くは鑑賞しきれなかったのではないかと思う。

目に焼き付いているバロック絵画でお気に入りは次の3点。
★カラヴァッジョの‘リュート弾き’(上の画像)
★ホントホルストの‘キリストの幼児期’(真ん中)
★レンブラントの‘フローラに扮したサスキア’(下)

‘リュート弾き’(1595)はカラヴァッジョ(1571~1610)が好きになるきっかけとなった絵。カラヴァッジョが若いころに描いた風俗画のなかでは、この絵と‘いかさま師’(1/7)にぞっこん参っている。メトロポリタンにも同名のものがあるが、エルミタージュのほうがかなりいい。

茶褐色の背景に浮かびあがるリュート弾きの若い男の女性っぽい顔つきが忘れられない。この男はカストラート(去勢した男性歌手)。この明暗のコントラストにしばらく惹きこまれ、左の花瓶の花や果物に目をやるとまた吸い込まれる。並の技量ではこれほどリアルな質感はだせない。いつか再会したい。

ホントホルスト(1592~1656)の絵をみる機会はきわめて少ないが、この‘キリストの幼児期’(1620)と遭遇したのは幸せというほかない。真ん中の蝋燭の光がキリストと老人の顔を照らすところはロンドンナショナルギャラリーにある‘大司祭の前のキリスト’(1617、08/2/6)と同じ構成。何時間でも見ていたくなる絵である。

ここのレンブラントコレクションは名作揃い。新妻サスキアをフローラに見立てて結婚直後に描いたこの絵(1634)はレンブラント(1606~1669)が28歳のころの作。ほかにも‘ダナエ’(05/5/26)や‘放蕩息子の帰還’などがある。

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コメント

ご無沙汰です。エルミタージュのカラヴァッジオ・・いいですねえ。このなんともけだるげな表情の少年は、若い頃のレオナルド・ディカプリオに似ていますよね。いかにもカラヴァ好みで好きですね。一度見たいですね。エルミタージュは、遠いけど、いいものがそろっているんですねえ。山下りんがエルミタージュに通い詰めたという話がありますが、それほど魅力的だったのでしょうね。

投稿: 乱読おばさん | 2009.06.08 10:27

to 乱読おばさんさん
カラヴァッジョの‘リュート弾き’に会えたの
は一生の思い出です。エルミタージュは本当に
すばらしい美術館です。

所蔵品の数ではルーヴルには負けますが、絵画
はびっくりするほどの名画が揃ってますし、
工芸品、宝飾品などのお宝が沢山。もうくらくら
します。是非ご訪問なさってください。

投稿: いづつや | 2009.06.08 22:41

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