もう一度見たいエルミタージュ美術館の印象派名画!
日本の美術ファンには印象派が好きな人が多い。そのため、海外の美術館から頻繁に有名な絵がやってくる。西洋画で印象派作品に限っていえば、たとえ現地に出向かなくても、20年くらい日本で開かれる特別展を見続ければいい絵を相当数見れる。
会社勤めの方でも自営業の方でも、若い頃は仕事が忙しかったり、子育てのため海外旅行を楽しむことはなかなかできない。美術鑑賞を一生の趣味にしようと思っていて、かつ印象派が好きな人にとっては日本の展覧会シーンというのは最高かもしれない。
普通の人の場合、美術趣味はロングレンジの楽しみ。だから、若いときは国内の印象派の展覧会にでかけいい絵を見ておれば、50歳前後から海外の美術館めぐりをはじめたとき、目の前の名画にすっと入っていけることは請け合い。また、日本には大原美とか西洋美、損保ジャパン美などにモネとかゴッホ、ゴーギャンの一級の絵があることも心強い。
では、海外の美術館でどこが印象派の名画を多くもっているか。これまでの経験でいえば、オルセー、コートールド、ロンドンナショナルギャラリー、エルミタージュ、プーシキン、メトロポリタン、シカゴ、ワシントンナショナルギャラリー、ボストン、バーンズコレクションの10館。もうひとつ未訪問のフィラデルフィア美にも名画が沢山ある。ここは来年訪れるつもりだから、そのすばらしさがわかるだろう。
エルミタージュ美を訪問したのは99年。ちょうど10年前。お目当てはレンブラントとシチューキン&モロゾフが集めた印象派絵画、マティス。再会したい印象派の名画は、
★ルノワールの‘女優ジャンヌ・サマリーの肖像’(上の画像)
★ゴッホの‘エッタンの公園の思い出(アルルの女たち)’(真ん中)
★ゴーギャンの‘タヒチの牧歌’(下)
‘女優ジャンヌ・サマリー’(1878)は現地で見る前、95年ころ(?)損保ジャパン美(当時は安田火災美)で対面した。このころあたりからその後何度か開かれた‘エルミタージュ美名品展’ははじまったのではないかと思うのだが、ルノワール(1841~1919)のこの傑作をみたときの感激は半端ではなかった。心がそれこそ200%とろけ放っし。エルミタージュでも同様にいい気持だった。まさに魅惑のパリジャンヌ像!
ゴッホ(1853~1890)の絵は晩年の作品が4点ある。‘エッタンの公園’(1888)では、赤や青や黄色の細かいタッチが響き合う豊かな色調に釘づけになった。また、野原の緑が目にしみる‘藁葺屋’(1890)にも感動。
ゴーギャン(1848~1903)はタヒチ期の作品が15点も揃っている。レベルの高いすばらしいコレクションである。最も有名なのは06年、東京都美の‘大エルミタージュ美展’に出品された‘果物を持つ女’(拙ブログ06/11/3)。3年前だから、覚えておられる方も多いはず。‘タヒチの牧歌’(1893)もいい絵で、オルセーにある‘アレアレア’
(1892)と構成がよく似ている。
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