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2009.05.21

畠山記念館名品展

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畠山記念館で開催中の名品展はお目当ての作品が展示される後期(5/16~6/21)のみ出動。ここは定期的に通っており、図録に載っている名品の鑑賞は終わりに近づいているが、最後に残っていたのが今回登場した。雪村の‘竹林七賢図屏風’(重文、上の画像)と‘備前火襷水指’(重文、下)。

‘竹林七賢図’(六曲一双)は5年通ってようやく見ることができた。これは02年、山口県美であった大規模な‘雪村展’のとき、京都・野村美蔵の‘風濤図’(拙ブログ08/7/29)とともに姿をみせてくれなかった絵。昨年は‘対決ー巨匠たちの日本美術’で‘風濤図’が見れ、今年はこの絵。長年の思いが叶えられ、ほっとしている。あとは静嘉堂文庫の‘柳に鷺’、東芸大美の‘花鳥(柳・鷺)’と‘花鳥(竹・葡萄・芙蓉・鳥’が展示されるのをじっと待つだけ。

この‘竹林七賢図’(右隻)は酒の肴をもってきてくれた子供に腰をかがめてお礼を言っている最長老の賢人の姿に視線が集まる。これまで見た‘竹林七賢図’のなかでは最もリラックスして見れる絵かもしれない。美術館の性としていい絵ほど見せたがらない。長く待たされたのがよくわかった。

真ん中は俵屋宗達の‘蓮池水禽図’。これは3度目の対面。いつも水禽が足をばたばたさせているところと斜めの構図で描かれた大きな蓮の花に見入ってしまう。墨のたらし込みで描かれた‘蓮池水禽図’はほかにも京博の国宝(08/10/10)や東京美術倶楽部で遭遇した別ヴァージョン(07/10/9)があるが、いずれも心に響く。宗達の墨の絵が一枚でも手元にあればなぁー、叶わぬ夢ではあるが。

備前焼の重文をみたのはこの‘備前火襷水指’がはじめて。確か一つしかなかったと思う。その名品が目の前にある。備前焼の魅力は素朴な土味と赤褐色の火襷(ひだすき)文様。この水指は言葉を失うくらいすばらしい。やわらかい白の土肌に縦、斜めにのびる火襷の線を釘付けになって見た。

水指に巻かれたわらが土の状態と窯のなかの炎の加減により、こうした文様に変わったとはいえこれほどうまく出来上がるのは奇跡に近い。これぞ‘窯変’の美!本当にいいやきものを見た。

今回の名品展は開館45周年を記念しての企画だから、数は少ないが質の高さは流石!という感じ。後期のみの国宝‘林檎花図’(南宋)、‘祥瑞砂金袋水指’(07/8/19)、尾形光琳作‘紅葵花蒔絵硯箱’などにも魅了された。

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» 畠山記念館名品展 @畠山記念館 [Art & Bell by Tora]
展覧会の副題は、平成21年春季展、開館45周年記念、季節の書画と茶道具と3つ付いている。 前期には尾形光琳《躑躅図》や渡辺始興《四季草花図屏風》が出ていたが、国宝の出ている後期の展示が始まるのを待っていってきた。その国宝は伝 趙昌(宋)の《林檎花図》↓。林檎の花の一枝。蕾、開きかかったところ、開ききったところが見事に描かれている。ピンクの色が奇麗である。趙昌は北宋の画家だが、描きかたは南宋的で団扇型の画である。スリッパをぬいて畳に上がってみるのだが、正座しても視線より高い位置に掛けられているので、... [続きを読む]

受信: 2009.05.24 13:55

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