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2009.05.02

またまた岸田劉生展!

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1年半前、うらわ美で岸田劉生展を見たとき、この画家の展覧会はしばらくないだろうなと思っていたら、意外に早く鑑賞の機会がめぐってきた。このたびは損保ジャパン美で‘没後80年 岸田劉生 肖像画をこえて’(4/25~7/5)。

肖像画ばかり78点出ている。全国の美術館や個人蔵から集めてきているから、代表的な肖像画はほとんどあるのではなかろうか。これは有難い。今回残念ながら東博蔵の‘麗子微笑’(拙ブログ07/11/7)は展示してないが、東近美のお宝‘麗子肖像(麗子五歳之像)’(上の画像)をはじめいい絵がずらっと揃っているから、これ以上望めない立派な回顧展である。

大好きな‘二人麗子図’(泉屋博古分館、06/9/17)が6/2からの展示だから会えなかったが、これは何度もみているから気にならない。麗子像でなかなか対面できないのが1点ある。それは‘麗子住吉詣之立像’(個人蔵)。何年も待ち続けているのだが、今回も現れてくれなかった。所有者は展覧会に出品するのを極端に嫌がっているのか、それとも行方不明?このあたりはよくわからない。これを見るまでは劉生に済みマークはつけられない。

東近美でお馴染みの‘麗子五歳之像’は‘麗子微笑’同様、いつも見入ってしまう。まさに日本の洋画のクラシック。顔に光があたりテカテカした絵肌になっている。このリアルさを表現できるところが油絵の魅力。これと同じ印象を持つのがポーラ美蔵の座っている麗子像と‘古屋君の肖像’(東近美)。並の技量では人物をこれほど写実的には描けない。やはり劉生の画力は規格外。

一枚だけ異質の絵がある。寒山捨得図から霊感を得て描かれた‘野童女’。その笑い顔はちょっと不気味だが、なぜか絵の中に吸い込まれる。こういうのが絵に力があるというのだろう。

再会を楽しみにしていたのが真ん中の‘画家の妻’(大原美)。広島を離れて5年になるが、大原美が遠い存在になってきた。ここを訪れるたびに必ず目にやきつけていた絵のひとつがこの絵。しばらく息の呑んでみていた。もう一枚、妻の絵(高知県美)があった。はじめてお目にかかったが、ポーズの取り方が似ているブリジストン美蔵(展示なし)より、魅了された。

自画像が全部で16点ある。そのなかで最も気にっているのが下の島根県美蔵のもの。これも大原美の妻の絵同様、久し振りにみた。劉生は静物画を描かせたらダリもセザンヌもびっくりするくらい上手いが、肖像画にもぐぐっと惹きこまれる。これだけ沢山、いい肖像画が見れれば言うことなし。損保ジャパンに拍手!

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コメント

岸田劉生も夭逝したのが残念な画家の一人です。
若いときのきっちりとした絵も好きですが、
笑う麗子のような不気味な絵ももっと見てみたかったなと思います。

投稿: 一村雨 | 2009.05.04 08:31

to 一村雨さん
岸田劉生の絵とは一生つきあっていくつもりです。
‘笑う麗子’は本当に不思議な魅力がありますね。
また、墨で描いた寒山風の麗子にも惹かれます。

投稿: いづつや | 2009.05.04 23:30

こんにちは。

タイトルは地味ですが今後滅多なことが
無い限り拝見できないような展覧会でしたね。

「野童女」の不気味でありながら
目が離せない魅力しかと堪能して来ました!

投稿: Tak | 2009.05.06 11:33

to Takさん
岸田劉生の肖像画、全部見せます!という感じ
ですね。お陰でいい図録が手に入りました。

投稿: いづつや | 2009.05.06 23:47

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損保ジャパン東郷青児美術館で開催中の 「没後80年 岸田劉生 -肖像画をこえて」展に行って来ました。 言葉は汚いが「ヤバイ展覧会」というのがあるとするなら、まさにこの「特別展 没後80年 岸田劉生 -肖像画をこえて」はそれに該当することでしょう。 一体何がヤバイって、岸田劉生の作品だけ約80点集めた時点で沸点突破するほどなのに、出展作品全てが肖像画というのですから、そりゃ〜もう、素人がヤバイ、ヤバイと騒ぎ立てずともお分かりになろうかと。 岸田劉生の肖像画と言えばまず真っ先... [続きを読む]

受信: 2009.05.06 11:31

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