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2009.05.05

冨田渓仙と横山大観の夜桜 どちらがお好み?

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上野の不忍池の前にある横山大観記念館を4年ぶりに訪ねた。久しぶりに行くから、‘確か中華料理の東天紅の先だったなあー’という感じで、歩く時間の見当はアバウト。

出かけてみようと思ったのはどこからともなく冨田渓仙の‘祇園夜桜’(上の画像)が展示してあることがわかったから。ここは3ヶ月毎に大観作品を中心に10点くらい展示しており、今は4~6月の展示。休館日が多い(月・火・水)ので、訪問されるときは事前にHPで開館している日を確認されたほうがいい。

入館料500円は展示作品が少ないからちょっと高め。普通の家にお邪魔した感じだから、急いでいる時は15分で終了する。今回の目的は渓仙の絵だけなので、そのくらいで引き上げた。大観の絵は‘生々流転’(下絵)と‘阿やめ(水鏡)’と‘牡丹’。ほかの画家では速水御舟の‘夜桜’といういい絵がある。

冨田渓仙(1879~1936)の‘祇園夜桜’(1921)はこれまで数回ここに来ているのに縁がなかった。篝火が焚かれ、美しい枝垂れ桜が墨の濃淡で描かれた東山を背景に幻想的に浮かび上がっている。これが描かれた大正10年のころの祇園円山公園は夜は現在のように明るくライトアップされてなかったろうから、こんな雰囲気だったにちがいない。

この絵に刺激されて大観(1868~1958)が描いたのが真ん中の屏風‘夜桜’
(1929、左隻、大倉集古館)。これは1930年(昭和5)、ローマで開催された日本美術展覧会に出品された。影響を受けた渓仙の絵が枝垂れ桜なのに対し、大観はもっと見栄えのする山桜を琳派風に装飾性豊かに描いた。大観の水墨画の最高傑作が‘生々流転’(1923)なら、彩色画の頂点がこの‘夜桜’。

明治以降に描かれた日本画で今から100年経ったとき、琳派のDNAを継承した近代琳派の傑作として日本絵画史に一際輝いていると思われるのは次の7点。琳派狂だから、どれも惚れ抜いている。

★横山大観の‘夜桜’(大倉集古館)
★川端龍子の‘新樹の曲’(龍子記念館)
★速水御舟の‘名樹散椿’(山種美)
★前田青邨の‘水辺春暖’(大松美)
★福田平八郎の‘花菖蒲’(京近美)
★山口蓬春の‘扇面流し’(個人)
★加山又造の‘千羽鶴’(東近美)

下は渓仙が‘祇園夜桜’の11年後に描いた‘東山夜桜図’(1932)。大観の絵のように月を登場させているが、全体がやや明るいので夜の雰囲気がすこし弱い感じ。さて、3点のうちどれがお好みだろうか?

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