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2009.05.12

板谷波山をめぐる近代陶磁展

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現在、泉屋博古館分館で‘板谷波山をめぐる近代陶磁展’(4/18~6/14)が開かれている。

実は2年前にも同じ企画展があり、ここのお宝である板谷波山(1872~1963)の‘葆光彩磁珍果文花瓶’(重文、上の画像)が展示された。そのときは小冊子の体裁をとったミニ図録(一部白黒図版)だったが、今回は色をよく写した立派な図録(1500円)が用意されていた。館として所蔵する近代陶磁の名品を総まくりしたいい図録を作ろうと強く思ったのかもしれない。

板谷波山の作品(17点)だけは館蔵品のほかに茨城県陶芸美や個人がもっているものが10点ある。‘珍果文花瓶’は波山の最高傑作。ぷくっと膨れた胴部には窓が3つあり、正面に桃、両サイドに葡萄、枇杷が描かれている。そして、窓のまわりには青海波の文様がみえる。何回見てもほれぼれする名品である。

昨年出光美であった‘近代日本の巨匠たち展’でも19点(拙ブログ08/9/22)が目を楽しませてくれたが、ここにもサプライズの一品があった。真ん中の‘葆光彩磁紫陽花文鉢’(個人蔵)。紫陽花のまわりに靄は立ち込めているようで、これぞ葆光彩磁という感じ。これは美術本でも見たことがない。

やきものに限らず、美術品のコレクターのなかには自分の持っているものが公になることを嫌う人がいるから、これも滅多にでない作品かもしれない。こういうのに遭遇すると波山の見ていない名品がまだあるのではないかと思ってしまう。葆光彩磁のほかにも貫入のある青磁の花瓶や香爐に魅了された。

初代宮川香山(1842~1916)の作品は20点、大半は前回一度みているのでお気に入りの‘籐花絵菊花形共蓋壺’(下)や目の覚める深い赤が印象的な‘倣洋紅意窯変花瓶’の前に長くいた。

板谷波山や宮川香山は帝室技芸員に任命されているが、同じく技芸員の三代清風与平、伊東陶山、諏訪蘇山(ともに初代)の作品(11点)も展示されている。波山以外は作品を見る機会があまりないが、仕上がりのいい形や絵柄はそれぞれ味わい深い。やはり日本はやきものの国である。

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