いつか行きたい美術館! シャンティイ コンデ美術館
パリの北42㎞、シャンティイにあるコンデ美術館(シャンティイ城のなか)は行ってみたい美術館ではあるが、夢の美術館というほうが適切かもしれない。
というのも、ここの図書館に所蔵されている有名なランブール兄弟作、‘ベリー公のいとも豪華な時祷書’(1413~1416)がいくら見たくても非公開なのである。手元にあるこの豪華な装飾写本のミニ本から3点ピックアップしてみると、
★5月の図(上の画像)
★10月の図(真ん中)
★地獄の図(下)
上の二つは‘暦頁’(1~12月)で、これが時祷書の一般的なイメージ。地獄の絵はほかのシリーズに出てくるもの。美術本で見るだけでも、本物は声を失うほどのお宝本だということが想像できる。
5月に描かれている馬に乗った貴族が身につけている衣装や森の向こうの空の青は高価なラピスラズリからとったもので、この青地に純金で模様が描かれている。目の覚める青にゴールドが冴えわたり、草木や木々の精緻な描写に頭がくらくらするのではなかろうか。
貴族を中心に描かれているのは1月、4月、5月、8月の4点、残りの月は農民が仕事をする場面。真ん中の10月の図は種まき。前景の右では種まきをする男がおり、左では男が馬に乗り、重石を置いた耕器を引かせている。画面の中央あたりに射手の姿をしたかかしがみえる。フランスのかかしは弓をもっているのか!おもしろい。田圃の後ろにどんと立っているのは当時新築されたばかりのルーヴル宮。
地獄絵の残酷さは日本画も西洋画も変わらない。真ん中の怪物レビヤタンがすごい。焼き格子で身をあぶりながら人間どもを手につかみ、足で踏んずけ、口から亡者を噴き出している。まさに怒りの人間噴射!その両脇では悪魔たちがふいごを踏んで、罪人たちを炎のなかに追いたて地獄の苦しみをとことん味あわせてる。あまり眺めていると夢でうなされるから、このへんで。
宝石のようなこの写本画をなんとか見ることができないものか!ミューズにおすがりしたいところだが、こればっかりは無理だろうな、、、
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