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2009.05.13

山口伊太郎遺作 源氏物語錦織絵巻展に大感激!

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大倉集古館で西陣織による‘源氏物語錦織絵巻展’(4/2~6/28)を見た。この展覧会の情報を得たときの興味は半分程度。それは源氏物語絵巻の原画や模写は時間をかけてみているので、絵巻そのものに新鮮さがないのと、織物となった絵巻にプラスαの美が感じられるか?だったから。

泉屋博古館のやきものを見た後、ものにはついでというのがあるから軽い気持ちで大倉集古館へも寄ってみた。徳川美と五島美にある‘源氏物語絵巻’(19場面)を織りで表現しようと思い立ったのは西陣織作家、山口伊太郎(1901~2007)。1970年からはじめ、第4巻が08年にできあがり、37年かけてようやく完成させた。山口は07年に105歳で亡くなったので、最後の織りは見届けられなかったが、職人たちに指示をして天国へ旅立った。

今回の展示はその4巻のお披露目。場面は‘蓬生’(上の画像)、‘関屋’(真ん中)、‘柏木(一)’(下)、‘柏木(二)’、‘柏木(三)’、‘横笛’。会場には1巻、2巻、3巻も一緒に展示してあるから、19の場面が全部見ることができる。見終わっての率直な感想は見逃さずによかったな!という感じ。模写が公開されたときと変わらないほど感激した。

鮮やかな色の糸で織られた馴染みのある源氏物語の各場面は原画や模写とはまた別種の美しさがある。赤、紫、青、緑、橙色などとにかく色の鮮やかさに目を奪われる。さらに目が点になるのは女性の着る単や御簾の内と外に見られる透ける表現を織りで実現しているところや女房や姫の精緻に表された黒髪一本々。

色彩の鮮やかさは1巻よりは2巻、3巻よりは4巻といった具合に印象強くなるのだが、真ん中の‘関屋’では紅葉や松の葉が盛り上がっており、その赤や緑がいっそう強調されている。

昨年横浜美で見た‘柏木(一)’(拙ブログ08/9/11)と較べてみると、錦織の‘柏木(一)’の方が色のインパクトは強い。装束や几帳の意匠や色合いは、二つはかなり違っている。模写のほうは原画を忠実に再現していると思われるが、山口が使った下絵も遜色ないほどすばらしい出来栄え。これは好みの問題。

この展覧会のお陰で‘源氏物語絵巻’のいい図録と本が揃った。原画、模写、錦織、色辞典(吉岡幸雄著)。この4点セットを楽しみ尽したい。

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