いつか行きたい美術館! ロンドン ウォレス・コレクション
ロンドンにある国立の美術館は入館料をとらない。だから、いい作品が沢山ある大英博物館やナショナルギャラリーやテートを見終わったあとはすごく満ち足りた気分になる。
ほかで無料なのはまだ訪問していないウォレス・コレクション、ヴィクトリア&アルバート美、ケンウッド・ハウス。この3館のうち次回の目玉に位置付けているのがウォレス・コレクション。
ここにロココ絵画のブーシェ(1703~1770)やフラゴナール(1732~1806)の名画が揃っていることは画家の名前を知った頃から頭の中にインプットされている。でも、ロココはどうしても貴族趣味というのが頭にあり、ルネサンスとかバロック、ロマン派とくらべると軽い感じがぬぐえず、作品をみていてもいまひとつ目に力が入らなかった。
ところが、その印象は昨年のルーヴル、ナショナルギャラリー鑑賞で一変した。これまでのロココのイメージは画集の図版によりできあがったもの。実際にヴァトー、ブーシェ、フラゴナールの絵(拙ブログ08/4/1)を見てみると、まったく違った印象だった。
例えば、ブーシェの裸婦は官能的というのが刷り込まれていたが、エロティックというよりは健康的で天真爛漫な女性という印象のほうが強く、神話画にでてくる女神はより身近に思える女性が目の前にいる感じ。これは近代絵画の裸婦に近く、ルノアールが描くルーベンス的でないタイプの裸婦に似ている。
ブーシェやフラゴナールにこれほどのめりこむとは予想してなかったが、こうなると二人の傑作を沢山所蔵しているウォレス・コレクションをめざすほかない。お目当てはこの二人+ヴァトーとルーベンスの有名な風景画。
★ブーシェの‘日の出’(上の画像)
★フラゴナールの‘ぶらんこ’(真ん中)
★ルーベンスの‘虹のある風景’(下)
‘日の出’は‘日没’と対になっている大作のようだ。絵の前に立つと気分が相当高揚するのではなかろうか。早く会いたい!‘ぶらんこ’はフラゴナールの代表作。本物はどうだろう。また、ヴァトーの‘庭園の宴’も楽しみ。
ルーベンス(1577~1640)の‘虹のある風景’はナショナルギャラリーにある‘ステーンの城の見える秋の風景’とともに晩年に描かれた風景画の傑作と言われている。‘ステーン城’はブリューゲルの風景画を彷彿とさせるすばらしい絵だったから、この‘虹のある風景’にも期待が高まる。
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